天秤にかけたとき2 (ページ3)

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｢ただいま｣

『…おかえりなさい』

｢ずっと寝てたの？｣

『…うん。気がついたら寝てた』

｢そっか。ご飯まだなんにも食べてないでしょ？なんか頼もうか｣

ジャケットを椅子にかけて、テーブルに置いてあるルームサービスのメニュー表に目を通す。

｢何か食べたいものある？｣

『…あんまりお腹すいてない』

｢体調悪いの？｣

『違う。ずっと寝てたから…』

｢外で散歩してなんか食べる？｣

『えっ？』

｢ずっと室内にいるのも疲れるしさ。近くにショッピングモールもあるから良かったら買い物行こ｣

『…』

あんまりない展開に驚く。

今までホテルで過ごすのがほとんどだったから外に出るなんて考えてなかった。

｢もしかして外出るのやだった？｣

『…違う。そういうことあんまりしたこと無くって』

｢それなら外でよう。外で買い物でもして動けばお腹減るよ｣

手を引かれベッドから降り、自分の身支度をして出かける準備をして部屋を出る。

エレベーター前でぎゅっと握られる手。

驚き見上げると、嬉しそうに笑っている亮平の姿。

『どうしたの？』

｢Aとこうやって出かけられるって思ったら嬉しくて｣

そんなことを言われたら、私も嬉しくて手を握り返してしまう。

『…嬉しい』

するとタイミングよくエレベーターが到着し、私の手を引きエレベーターへと乗り込んだ。