天秤にかけたとき2 (ページ17)

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村山｢…出雲さんと蓮の関係ずーっと知ってたよ？高校の時からずっと。でも、別にいいの蓮がほかの女と遊ぼうが何しようが…蓮かっこいいし、一緒に歩いてたら周りから羨ましがられるじゃん？…私からしたらカバンみたいなものなの…ハイブランドを身につけていれば周りが羨ましがられる。蓮は私のブランドの1部なんだ｣

カフェに入り目の前で話す村山さんは、悪びれることも無く話していて、じゃあなんで私を呼び止めたのか。

『…じゃあ、なんで私を呼んだの？』

村山｢なんで？特に深い理由はないけど…単純に面白そうだった、興味があったから｣

『…興味？』

村山｢そう興味。どうして蓮も阿部も出雲さんにそんなに執着してるのかなって思って…蓮に何あげたの？阿部にどんな色仕掛けしたの？｣

私に理由を聞いてくるが私は特別何かした覚えもない。

『…わからない』

村山｢…わからないの？あの蓮がぞっこんになる女なんだよ？それから、阿部が教師をやめてまで手にしたかった女って…羨ましい…｣

すると、手に持ったままのスマホをギュッと強く握り締めているのが見えた。

村山｢…私が1番チヤホヤされなきゃいけないのに…あんたみたいな貧乏人がチヤホヤされてちょームカつくんだよね。それでね。あんたに興味が出たの。どうしたらそんなにチヤホヤされるんだろうって…でも、本人が分からないなららダメか｣

諦めたように今度は頬杖をつき、私をじっとみつめる。

村山｢…阿部は知ってるよ？蓮との関係が続いてるってこと｣

その話を聞いた瞬間にドクンッと心臓が跳ねた。

なんで、亮平が私と目黒の事を知ってるのか。

考えなくても何となくわかる。村山さんが何かしたって。

『…そうですか』

村山｢あれ？文句言わないの？私がなにかやったってわかってるんでしょ？｣

『…自業自得ですから…話は終わりですか？』

村山｢…冷めてるね…出雲さんは本当に。高校の時から変わらないね…まぁ一応終わり。蓮の事はこれからもよろしくね｣

『…』

お財布からお金を取り出し、急いでカフェから飛び出した。

何が目的で私を呼び止めたのか、結局訳が分からないままだけど、深く詮索してはいけない気がした。

村山｢…あー。うざ…悲劇のヒロインみたいでムカつく…まぁ、いっか。蓮が可哀想だけどもう少し遊ばせてもらおうかな…私の為に…｣