loss of memory 阿部恋シリーズ (ページ10)

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10 森本side ページ10

Aが記憶を無くして最初は、なんかのドッキリなんだと思ってたけどそんなんじゃなかった。

本当に何も覚えてないみたいで、18歳のAに戻ったって山梨さんから聞かされた。

自分が今SixTONESにいる事も、阿部ちゃんと付き合ってることもわかってない、前のグループが解散して直ぐの記憶までしか残ってないらしい。

直接Aに会った訳じゃないし、山梨さんから聞いた話だから本当か嘘かも分からないけれど、山梨さんの顔を見てたら本当なんだって理解した。

それに阿部ちゃんが俺らの所に来て1つだけお願いをしにきた。

｢Aちゃんには俺と付き合ってること言わないで欲しいんだ｣

ジェシー｢なんでだよ…言ったって別にいいじゃんか。付き合ってんだから｣

京本｢Aの事好きじゃないの？｣

｢違う！Aちゃんの事は今でも好きだよ…でも、今のAちゃんに負担をかけたくないんだよ俺は。受け入れなきゃいけない事が今のAちゃんには多すぎるんだ。だから落ち着くまでは…｣

今にも泣きそうな阿部ちゃんを見てると、こっちも苦しくなる。

1番そばにいたいはずなのに、そばにいれないなんて。

阿部｢慎太郎Aちゃんと昔から仲良かったよね。Aちゃんの事よろしくね｣

無理矢理笑うその笑顔に胸が締め付けられる。

森本｢阿部ちゃん…｣

｢なにもいわないで。俺は早くAちゃんに元気になって欲しいだけだから…それじゃまた｣

お願いされても俺なんかがAのこと、元気に出来るわけないじゃんか。

記憶を無くしても、きっと阿部ちゃんがそばにいた方がAの為になるはずなのに。

でも阿部ちゃんが言ってることも分からなくもなくて、Aのことを考えるなら言わない方がいいのかもしれない。

森本｢…ムズすぎるわ｣

こんな簡単な言葉しか出てこない。

それくらいどうしたらいいのか、俺には分からなかった。