loss of memory 阿部恋シリーズ (ページ8)

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8 阿部side ページ8

滝沢｢本当に良かったの？Aに阿部ちゃんの事言わなくて｣

｢はい｣

Aちゃんが一般病棟に移ったと話を聞いた時に会いに行くかと聞かれたが、それを断って更に俺の事を伝えないでと滝沢くんにお願いしていた。

きっと、あの頃のAちゃん自身恋人がいるなんて考えていないだろうし、もしかしたら負荷になってしまうんじゃないか、なんて考えてしまったから。

滝沢｢阿部ちゃんは苦しくないの？｣

苦しいか苦しくないかと言われたら苦しい。

本当は直ぐにでも会いに行って力いっぱいに抱きしめたいんだ。

でも今のAちゃんは18歳の女の子。

そんなことをしたらAちゃんは戸惑ってしまうし、俺たちの関係を話したら、消化しなきゃいけない事が増えてしまう。

ただでさえ、受け入れなきゃ行けない事が沢山あるのに。

｢…俺は大丈夫です。Aちゃんよりも大人ですから｣

滝沢｢…そっか。無理だけはしないようにね｣

｢ありがとうございます｣

滝沢くんを見送りながらみんなの元へ俺は戻った。