阿部の恋人はSixTONESの紅一点2 (ページ19)

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阿部side

Aちゃんが来てくれるって話だったのに、撮影が押して予定より1時間くらい遅くなってしまった。

急いで、家に向かいながらメッセージを送ったが既読にならない。

もしかしたらAちゃんも仕事を押してるのかなんて思いながら家に向かう。

玄関の扉を開けると真っ暗な部屋の中。

合鍵を渡してるのに律儀に、インターホンを鳴らしてくれるAちゃんの事だからやっぱり仕事が押してるのかと真っ暗な廊下を進みリビングの電気をつけると、突然とパンっと大きな音がリビングに響き驚いた。

『亮平くん入所17周年おめでとうございます！』

驚きながら部屋の中を見ると、部屋の中はシンプルに緑色の造花の花びらが散りばめられていて、その真ん中に17と大きなバルーンが置かれていた。

｢びっくりした｣

『サプライズだもん。びっくりしてもらわないと』

｢これ全部Aちゃんが？｣

『うん！でも、気がついたの数時間前で山梨さんに教えてもらったから、本当に簡単なのなんだけどさ』

ちょっと苦笑いをするAちゃんだけどそんなの関係ない。

俺のためにこうやって準備してくれたんだ。

目の前で少し恥ずかしそうに笑うAちゃんが物凄く愛おしい。

｢ありがとうAちゃん｣

背中に手を回して抱き寄せる。

『…18年って凄いよ亮平くん』

｢…うん｣

『亮平くん本当におめでとう』

ぎゅっと強く抱きしめられた。

｢ありがとう…。本当に色々あったけどデビュー出来てAちゃんとこうやって過ごせて…俺は今すごい幸せで、ここまで来て良かった｣

本当に色んなことがあって辛いことの方が多かったかもしれない。

でも、今はそんなこと忘れるくらい幸せな事がたくさる。

SnowManとしての活動もそうだし、Aちゃんの隣にいられる事もだ。

去る仲間の後ろ姿を見ながら、もしかしたら次は俺なのかもしれないなんて思ったこともあった。

でも、その決断をしなかったのは

｢でもね。俺だけの力じゃないよここまで来れたのは。周りの人たちもそうだし、Aちゃんのおかげだよ｣

『え？』

｢Aちゃんが居てくれたから俺も頑張ろうって気持ちになったの｣

『…亮平くん』

｢Aちゃんありがとう…俺の前に現れてくれて。俺に元気や勇気をくれて本当にありがとう｣

俺を見上げる目には薄らと涙が浮かぶ。