阿部が恋したのはSixTONESの紅一点2 (ページ35)

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俺からの告白ページ35

ずっと、ずっと不安だった。

本当は間に合わなかったんじゃないかって。

｢Aちゃん…｣

俺を優しく抱きしめるAちゃんの背中に手を回し、少しだけ強く抱きしめた。

『大丈夫だよ』

俺がAちゃんを慰めなきゃいけないはずなのに、俺を慰めるように背中を優しくさすってくれる。

｢俺らを守ろうとしてくれて…ありがとう｣

『うん』

俺を抱きしめるAちゃんの腕の力少しだけ強くなる。

彼女は、俺たちを守ろうとして動いてくれたんだ。

それがどんなに結果だったとしても、彼女なりに頑張ったんだ。

だから、ありがとうって伝えなきゃ。

全てを守りきれなかった悔しさをグッと押さえ込む。

こんな所で、泣いたってAちゃんを困らせるだけ。

色んな気持ちでぐちゃぐちゃになりながら、少しだけほんの少しだけAちゃんに甘えて気持ちを落ち着かせた。

｢…ごめんね｣

『ううん。大丈夫？』

｢俺は大丈夫だよ｣

少しだけ不安そうに俺の顔をのぞき込むAちゃん。

｢Aちゃんの方こそ目が真っ赤だよ｣

『…いっぱい泣いちゃったから』

｢今日は冷やしてゆっくり寝るんだよ？｣

『うん。ありがとう亮平くん』

精一杯の笑顔を俺に向けてくるAちゃん。

その笑顔を見た瞬間に溢れ出すAちゃんへの気持ち。

｢Aちゃん｣

『ん？』

そっと手を伸ばし、優しくAちゃんの髪の毛に触れた。

｢俺、Aちゃんの事が好きだ｣

ずっとずっと我慢していたこの言葉が止まることなく溢れ出していた。