阿部が恋したのはSixTONESの紅一点2 (ページ12)

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Aちゃんの家の下まで着き、支えながら何とか家の中へ。

正直中に入るなんて本当はしちゃダメだってわかってるのに、今はそんなことを言ってられない。

｢Aちゃん家ついたよ｣

『ごめんね…ありがとう…』

｢お水飲む？｣

小さく頷くAちゃんを見て勝手にキッチンを借りてコップに水を注ぎAちゃんの元へ。

｢飲める？｣

『ちょっとだけ…』

水を少し口に含み飲み込んだ。

『…お酒…1杯だけ飲んだら帰っていいって…言われたから。しつこくて…1杯だけならって思ったら…半分で気持ち悪くなって…きちゃって』

ソファにもたれ掛かり明らかに体調が悪そうなのにポツリポツリと、こうなった経緯を一生懸命説明しようとしていた。

でも、そんなAちゃんの話を聞いて違和感を感じる。

｢誰と飲んだの？｣

『…佐々木さん…でも、前の共演者の人とかもいて…本当に1杯だけ飲んで…帰るつもりだったの…』

その名前を聞いた瞬間胸の奥がざわつく。

｢…そっか。大丈夫だよ。連絡くれて良かった｣

『ん…』

体調の悪さから来る涙なのか、頬を伝う涙を指で拭う。

どう考えても、Aちゃんの飲み物に佐々木が何か細工をしたと考えてしまう。

そんな証拠もないし、その場にいた訳じゃない。

でも、Aちゃんはそんなにお酒弱い訳でもないし、この前の佐々木の発言を色々考えると、そんな答えに辿り着く。

｢Aちゃん｣

『んー？』

｢他に、佐々木になんにもされてない？｣

『うん。なんにもされてない…。嫌だったからなんか言われてたけど無視して、外まで出てきた…』

｢…そっか。それで良かったんだよ。よく逃げてきたね｣

無事に逃げて来てくれてありがとう。