阿部が恋したのはSixTONESの紅一点2 (ページ11)

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阿部へのSOS ページ11

あれから数日、嫌な予感を感じつつ日々を過ごしていた。

家に帰り、夜22時をすぎた頃。

久しぶりに明日休みだなんで思っていると、突然とスマホの着信音が響く。

誰だろうと思って、画面を確認すると【出雲A】と画面に表示されていた。

｢もしもし、Aちゃん？｣

『はぁ、はぁ…亮平くん…助けて』

電話越しのAちゃんは苦しそうに助けを求めていた。

｢どうしたの？どこにいるの？家？｣

『えっと…近くの公園の…トイレの中に居て…』

電話越しに聞こえる声はいつもより、ふわふわと呂律が回っていないような感じの喋り方。

｢Aちゃんお酒飲んでるの？｣

『…うん。でも1杯も飲んでない…変だから外に出てきて…今公園のトイレにいて…』

会話の間の浅い呼吸音に、異常を感じ急いでAちゃんの場所に向かう準備をする。

｢どこの公園かわかる？｣

『待って…えっと…』

スマホを一生懸命操作して、自分がいる公園を見つけてもらい公園の場所がわかると、家の近くにいたタクシーに飛び乗って公園へ向かう。

｢Aちゃん大丈夫？今向かってるから｣

『ごめんなさい…慎ちゃんとか、めめとか康二くん達にも連絡したんだけど繋がらなくって…本当にごめんなさい』

｢謝らなくていいよ。Aちゃんはよく頑張ったよ｣

どうしてこんな事になっているのかは分からないが、今はとにかく電話越しのAちゃんに優しい言葉をかけることしか出来ない。

｢Aちゃんもすぐ着くから｣

『ん…』

ちゃんとした返答がなくなり、やばいと思いとにかく公園まで急いでもらった。

Aちゃんが調べた公園に辿り着くと、ベンチにうずくまる人影が見え、その人にそっと近づく。

｢Aちゃん？｣

『…亮平くん？』

顔を上げたAちゃんの顔色は真っ青で明らかに体調が悪そうだった。

｢そうだよ？迎えに来たよ。帰ろう｣

『…良かった。誰か来てくれて…』

ポロポロと開ききっていない目から涙がこぼれ落ちる。

｢辛かったね。帰ろう。話はまた今度聞くから｣

Aちゃんを支えながら、ここまで来たタクシーに待っててもらっていてそのタクシーに乗り込んだ。

以前、Aちゃんに教えてもらった住所を伝え動き始めるタクシー。

『…ごめんなさい』

何度も謝るAちゃんの背中を優しくさすり

｢大丈夫だよ｣

って何度も返した。