EPISODE.10 ページ10
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あの日から、ジェシーは俺への干渉が強くなった気がする。
授業のペア組みは必ず声をかけてくるし、休み時間も何かと話題を提供してくる。
俺はそれが鬱陶しくて、保健室に入り浸ることが多くなった。
ジェシーはこの場所を知らないから。
「松村、最近サボりがひどくない？」
「だって...鬱陶しいやつがいるんだもん」
「そんな理由でサボってたら単位落とすぞ」
そう言いながら、先生は保健室に置いてあるマグカップで紅茶を出してくれる。
....ほんとに授業に出させるつもりあるのか...。
でも、先生の淹れてくれた温かい紅茶を口にする。
ここが唯一安らげる場というか、誰にも気を使わずに過ごすことができる。
「次はちゃんと授業でなよ。今の時間はもういいけど」
「はーい…。」
優しい堺先生。
ジェシーのことを頭に浮かべると、ずっと保健室にいたくなるけれど。
先生の言うことはちゃんと聞いておこうと、自然とそう思った。
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教室に戻る前に個室トイレに入って、一息つく。
保健室に一度入ると、もう戻りたくなくなってしまって。
休み時間ギリギリまでトイレにこもっておこうと便座に座る。
ジェシーが俺の前の席に現れてから、学校が憂鬱で仕方ない。
俺の心の中に勝手に入ってくるな….。
個室の中でうずくまっていたら、男子数人の足音が聞こえてくる。
その足音は聞きなれた音。
(樹と慎太郎だ…..)
そしてもうひとり、ジェシーもいる。
3人仲良く連れションにやって来た。
｢ジェシーどうよ、北斗とは打ち解けた？｣
｢全然だめ…。ガツガツ行けば行くほど遠くなってく感じ｣
聞こえてきた3人の会話に、思わず息を潜める。
俺の話してる…、なんだか嫌な感じだ。
｢北斗攻略は難解だな｣
｢よし、作戦考えようぜ｣
3人から聞こえてくる単語。
"攻略" だの "作戦"だの。
(…そうか、あいつらにとって俺に話しかけるのはただのゲームなんだ…)
ジェシーがしつこく絡んでくるのも、無理に笑うなとか言ってくるのも、全部全部ゲーム。
俺が少しでも打ち解けた様子も見せたら、あいつらはゲームクリアだとでも思ってるんだ。
(…馬鹿にするな…)
トイレの個室でひとり、惨めな気分を噛み締めていた。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
