EPISODE.42 ページ42
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スポットライトに照らされて、バラードを歌うジェシー。
京本と向き合って、目を合わせて歌っている。
周りの女子たちもうっとりと聞いていた。
みんなが2人の歌声に聞き入る中、きっと俺だけがちがうことを考えていた。
もやもやとか、チクチクなんて可愛い言葉では済まされない黒い感情が俺の中に渦巻く。
ジェシーと見つめ合うなよ、女子にキャーキャーされてんじゃねえよ、ジェシーが好きなのは俺なんだぞ………………
そんなことばかり、頭の中で考えていた。
醜い嫉妬。
俺はいつの間にか、ジェシーに対する独占欲に支配されていた。
こんなにキラキラ輝くジェシーを、率直に喜べない、応援できない。
俺だけを見てほしい、俺以外にあんな風に笑いかけないでほしい。
黒くて醜い感情が俺の中を占めていく。
｢北斗？大丈夫？｣
｢……ごめん、ちょっと気分悪い……｣
2人に心配される中、大丈夫だからとひとりで体育館から出た。
今まで感じたことない感情に戸惑って、ぐちゃぐちゃになって訳が分からない。
ジェシーと京本の姿を思い出しては、黒い感情に飲み込まれていく。
こんなの、ジェシーのことを好きだと自覚せざるを得ない。
ジェシーのことが好きで、好きで、独り占めしたくて、苦しくて、悲しくて。
そんな感情に支配されたくなくて、ずっとジェシーへの気持ちに気づかないようにしていた。
京本に対するもやもやだって、嫉妬だと認めてしまったらとめどなくなる。
ジェシーは俺のものじゃないのに、俺だけを見てほしいと思ってしまうから。
(こんな感情、嫌だ……苦しい……)
恋愛に無縁だったこれまで。
これが恋だというのなら、こんなに苦しいなら、俺の人生に必要ない。
このままじゃ、俺はどんどん嫌なやつになって、きっとジェシーのことも傷つけてしまう。
(ジェシーに嫌われるのが、一番怖い…………)
俺は誰かに嫌われるのが怖い。
それが好きな人ならなおさら、嫌われる未来に怯えながら一緒に過ごすなんてできない。
嫌われる前に、離れなきゃ……。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
