EPISODE.39 ページ39
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「ジェシー！いたいた」
廊下の方から声がして、2人で顔を上げると京本だった。
「お、大我も文化祭準備？」
「そうそう。なあ、ジェシー文化祭の日一緒に回らない？」
ジェシーのとなりに座った京本。
文化祭の日のお誘いだ。
またモヤっとした気持ちが湧いてくるけど、たった今ジェシーの行動を制限してはいかないと思ったばかりなのに。
ああ、嫌だこんな自分。
ふたりの会話に聞き耳を立てている自分も、ジェシーに京本の誘いを断って欲しいと思っている自分も、すごくすごく嫌だ。
「あ、文化祭は北斗とまわるから」
「北斗？」
「そう！ほら、こちらが北斗」
ジェシーに突然紹介されて、どぎまぎしてしまう。
どうも、と頭を下げると、京本も同じように頭を下げた。
「じゃあ3人でまわろうよ、北斗も一緒に」
京本がそう言う。
いきなりの北斗呼び、さすがジェシーの友達だなと思った。
まあ名字を知らないだろうから当然っちゃ当然なのかもしれないけど。
「んー……」
ジェシーが俺をちらっと見る。
俺がいいよって言えば、3人でまわることになるのだろうか。
それとも、やっぱり京本と2人でまわりたいかな。
「あの、俺はいいから……2人でまわって？」
「え、でも」
「俺文化祭とか人多いの苦手だし、2人の方が楽しいよ」
言ってから、またやってしまったと思った。
俺は2人の間にいない方がいいと、そう思ってしまった。
でもやっぱり、こんな風に気を使ったり、ジェシーと京本を気にしたりするのは嫌だから。
それなら俺なしで2人でまわってもらった方がいい。
ジェシーがまた悲しい顔をしている気がして、顔は見れなかった。
そのまま適当な理由をつけて、教室から出る。
自分の気持ちから逃げただけだった。
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ーーーーー
ーーーー
「あれが噂の北斗かあ……なかなかの曲者？」
「曲者って言うか……捻くれ者？いつもあんな調子なんだよね」
「ふーん、ジェシーに散々話聞かされたから想像はしてたけど、なんか暗そうだね」
「ま、俺が北斗の自己肯定感上げるから、大我も協力してよ？」
「任せとけ」
俺が飛び出した教室では、ジェシーと京本がこんな会話をしていたことも知らないまま、俺はもやもやとしたままだった
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
