EPISODE.37 ページ37
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「北斗にもあるよ、周りに与える力」
「え？」
俺の心の声が聞こえていたみたいに慎太郎がそう言う。
俺が与える力……？ひとつも思い浮かばない。
｢北斗と一緒にいるとね、甘やかしたくなるよね｣
「は？なんだそれ」
「北斗は愛想良くとかさ、明るく元気にするの苦手じゃん？そんな北斗がさ、笑ってくれた、とか楽しそうな姿見ると嬉しくなるんだよね」
「そんな……こと……ないでしょ」
「あるよ。だから北斗を笑わせたくなるし、甘やかしたくなるよね」
俺が笑顔だと嬉しいって、慎太郎は笑顔でそう言った。
慎太郎は嘘のつけない正直なやつだから、本当にそう思っているんだろう。
そんなこと言われたの初めてだし、全く実感は湧かないけど、すごく嬉しかった。
やっぱり慎太郎は愛に溢れた人だ。
「ジェシーもさ、北斗が笑うとすごい嬉しそうなんだよね」
「ジェシーは誰が笑っても嬉しそうじゃん」
「全然ちがうよ。ジェシーは本当に北斗が好きなんだなって思う。ずっと北斗のこと見てるし、北斗の話ばっかりだし」
「そうなの？」
「うん。北斗はジェシーにとって特別だよ」
慎太郎の言葉が胸に刺さる。
ジェシーにとって特別と思うだけで、胸がドキドキした。
なんでこんな気持ちになるんだろう。
なんで京本と一緒にいると嫌な気持ちになるんだろう。
ジェシーを思うと、ドキドキする気持ちとチクチクする気持ちが同時にやってきて苦しい。
無意識にまた、左胸を抑えてしまう。
そんな俺を見て、慎太郎が俺の腕を掴んできた。
「北斗、思ってることは伝えなきゃダメだよ」
「へ……」
「その気持ちに名前付けられなくてもさ、ぶつけちゃえばいいんだよ」
そう言って、ぐっと力を込めるように手を握られた。
俺の考えていることが、慎太郎にも伝わっているのだろうか？
慎太郎がどういう気持ちでそれを伝えたのかはんからないけど。
慎太郎に手を握られると、パワーをもらえるようだった。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
