EPISODE.28 ページ28
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｢北斗、北斗！｣
教室に戻る途中で樹に襲撃された。
こっちに来い、と階段の踊り場に連れ出される。壁に押しやられて、肩を掴まれた。
まるでヤンキーに呼び出されたカースト底辺のやつみたいだ。
｢北斗大丈夫か？頭パンクしてない？｣
｢……してる……｣
樹が心配してくるということは、ジェシーから聞いたのだろう。
樹の言う通り、俺は頭がパンクして思考停止している。
「風磨のこともあった上にジェシーに告白されて訳わかんないだろ」
「うん…」
「でも、ジェシーは本気だと思うし、ノリとか勢いで行った訳じゃないのは分かってほしい」
分かってるよ。だから悩んでるんじゃないか。
樹は俺がまたからかわれているとか思い込んで落ち込んでんじゃないかと思ったらしい。
いつも優しいジェシーが、悪意で俺を傷つけるようなことはしないと思っているから。
俺がちゃんと分かっていると伝えると、樹は安心したようだ。
「よかった…。心配してたんだよ、風磨の胸ぐら掴んだりしてたからさ、あの後北斗とどうしてたんだろうと思って」
「え？ジェシーが、風磨の胸ぐらを？」
「あれ、聞いてない？あんなキレてるジェシー初めて見たよ。怖かったー」
ジェシーがキレる？全く想像ができない。
しかも自分のことじゃなくて、俺のことで？
風磨とジェシーがぶつかっていたなんて、そんなこと俺には一言も言わなかった。
「ジェシーがあんなにキレるなんてさ、北斗のこと好きだって聞いた時に納得したよ」
「え、なんで…」
「北斗のこと傷つけたら許さねえから、って風磨に言ってたよ」
「ジェシーが…..？」
ジェシーが人に対してそんな感情を抱くなんて。
俺のために、そんなことを….。
知らなかった。
ジェシーにそんな一面があることも、俺のために怒ってくれていたことも、俺はなにも知らなかった。
ジェシーは知らないところで俺を守ってくれていた。
(ジェシーから逃げてはダメだ…)
ちゃんと向き合って、俺の思っていることをちゃんと伝えなければ。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
