EPISODE.23 ページ23
-M-
中学生のときのことを思い出していた。
風磨とは中一のときに同じクラスで、樹と慎太郎と一緒に仲良くなった。
最初は本当に仲が良かったと思う。
けど、少しずつ風磨が俺に対して良くない感情を抱いていることが分かってきて。
3年生にあがったとき、俺は文化祭の学校一の男前を選ぶ企画でグランプリに選ばれた。
花束を渡されて、クラスのみんなにおめでとうとか祝われる中、風磨が気に入らない表情をしていることに気づいていた。
風磨に嫌われたくないと思った俺は、風磨に近づいてご機嫌を伺うようなことをしたと思う。
それが風磨の癪に障ったのだろう。
『おまえさ、うるさいんだよ。顔がいいだけのくせに、調子こいてんの？
話も長くてつまんねえしさ、みんなお前のこと嫌いなのいい加減気づけば？』
風磨にそれを言われてからの記憶はあまりない。
近くで聞こえていたらしい樹や慎太郎が俺を必死にフォローしていたけど、俺には何も聞こえなかった。
その日以来誰とも関わりたくなくなって、樹や慎太郎とも話さなくなった。
学校も休みがちになって、卒業するまで誰一人とも言葉を交わさなかった。
それなのに、また俺は人との関わりを持ってしまった。
俺はこんなやつなのに、3人といることで過去のことも忘れようとしていた。
とぼとぼ歩いていたら海に辿り着いた。
草履を履いているせいで足が痛い。
歩き疲れて、防波堤に座り込んだ。
夜の海は暗くて、寒くて、吸い込まれそうだった。
(このまま、海の奥底に沈みたい)
ああ、ダメだ。このままじゃ……。
刃物があれば、腕を切って心を落ち着けるのに。
自分を傷つけないと、このまま消えてしまいたくなってしまう。
呼吸が浅くなってきて、自分を守るように膝を抱え込む。
(…...ジェシー……助けて……)
なぜか、心の中でジェシーのことを思い浮かべた。
無条件で俺に優しくて、となりにいるだけで明るくなれるジェシーに会いたいと思ってしまった。
でも、もう3人とは…………｡
｢北斗、見つけた｣
｢…………っ、なんで……｣
急に足元が明るくなって、顔を上げたらそこにはスマホのライトで道を照らすジェシーが立っていた。
なんで……こんなタイミングで……。
いつものように笑顔でやってきたジェシーを見ただけで、感情がぐちゃぐちゃに溢れてきてしまった。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
