EPISODE.17 ページ17
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｢北斗は夏休み何してんの？｣
｢別に……ずっと家にいるかな｣
あと1週間ほどで夏休みに入る。
高校生に入ってからは夏休みはずっと家にひきこもっていた。
両親が夏休みだけは俺に気を使って、家族で外食とかはすることもあるけど。
｢じゃあキャンプ行こーぜ！俺最近キャンプ道具集めてんだよ｣
｢えー、無理だろ。4人で行くならもっと道具必要だろうし｣
｢えー、行こーよー。なあ、北斗｣
｢え、俺……？行かないよ、キャンプ怖いし｣
｢Ahaha! 怖いって何？楽しそーじゃん｣
｢夜とか怖いじゃん。虫も出るだろうし｣
｢俺虫平気だから大丈夫。北斗を守れるよ｣
｢俺のことも守れよ｣
慎太郎と樹のテンポのいい会話を聞いていると、本当に中学時代に戻ったようだった。
みんな集まると、本当に騒がしかった。
俺はもう、あの時の俺ではなくなってしまったけど。
俺はまた、この人たちと一緒にいていいのだろうか。
俺なんかがいると、俺なんかが話すと空気が悪くなりそうで怖い。
(……ひとりに戻りたい……)
樹と慎太郎、そしてジェシーと一緒にいるのは思いの外居心地がいい。
ジェシーなんてうるさくて、明るくて、馬鹿そうで絶対気が合わないだろうと思っていたのに。
意外と頭も良いし、テンションも俺に合わせてくれるし、何よりとても優しかった。
何でそんなに、と思うほどにジェシーは俺に優しい。
やっぱりあれかな、左腕の傷を見てしまったからだろうか。
でも同情されている感じはなく、俺と一緒にいるとまるで楽しいかのような表情をする。
きっと誰に対してもそうなんだろうけど……。
こんな風に優しくされて、影で悪口言われてたりされるとすごく傷つくから、なるべく関わりたくない。
そう思ってるのに……
｢じゃあ北斗、夏祭り一緒に行こうよ｣
「え、夏祭りか….」
夏祭りなんて何年ぶりだろうか。
行こうなんて考えたこともなかった。
行きたくない、正直行きたくないけど。
｢北斗と一緒に行きたいんだよ｣
ジェシーに真っ直ぐそう言われると断れなかった。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
