EPISODE.16 ページ16
-M-
樹と慎太郎とジェシーが家に押しかけた日、なぜだか夜はぐっすりと眠れた。
嫌な夢も見なかったし、うなされることもなかった。
なぜだろう、環境はいつもと変わらないはずなのに安心して眠れた感じ。
人との繋がりが安心感を与えているのだろうか。
「北斗おはよー」
「あ、おはよ…」
あの日以来、3人は俺の席によく来るようになった。
いつもは目が合えば気まずそうに逸らしていた樹と慎太郎もこちらを見ている。
「え、なに….」
「なんでもー、北斗おはよー」
「おはよー北斗」
「なんだよ、おはようって言っただろ」
樹も慎太郎もなんだかニコニコしている。
北斗だ、北斗だ、と2人とも嬉しそう。
なんだこいつら、これだけで嬉しそうにしちゃって。
俺も思わず笑ってしまった。
「北斗、笑うとかわいいね」
「は？」
「スマイル、スマイル。今日も一日元気よく！」
「女子アナかよ…」
朝からうるさいジェシーに思わずツッコむと、AHaHaHaHaと大笑いが聞こえてくる。
平穏でつまらなかった日々が、少しだけ賑やかになっていきそうな予感がしていた。
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昼休み、俺がコンビニ弁当を持っていつもの屋上手前に向かっていたら、なぜか3人がついてきた。
積み重ねられている机と椅子を4つ並べて、なぜか4人でお昼を過ごす。
「北斗いつもこんなとこで食べてたの？」
「通りで見かけなかったわけだ」
「てかなんで着いてくんだよ。俺の場所なのに…」
「いーじゃん、俺もさー3人の輪に入りたいんだよ」
ジェシーがご飯を食べながらそんなことを言う。
なんだ3人の輪に入りたいって。
そもそも俺よりジェシーの方が樹と慎太郎と仲良いのに。
それとも俺がいることで2人を取られた気分にでもなっているのだろうか。
「3人が思ったより仲良いんだもん。俺も早く北斗と仲良くなりたい｣
｢………………｣
ジェシーはよく俺と仲良くしたいと言ってくる。
その言葉にどんな意味があるのだろうと考えたこともあったけど、きっと意味なんてものはない。
ジェシーは頭で思ったことをそのまま口に出す人なのだと最近分かってきた。
だからその言葉に嘘はないし、別に重みもない。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
