EPISODE.14 ページ14
-M-
慎太郎が俺に抱きついて泣いている。
死ぬな、って。
馬鹿だな、俺は死ぬためにやっている訳じゃないのに。
樹が左腕の止血をしてくれた。
ジェシーにごめんねと謝られて、何でか分からないけど涙が溢れた。
ジェシーに頬に手を添えられて涙を拭われたことには驚いたけど、あまりに自然だからそのまま身を委ねてしまった。
｢……慎太郎、痛いよ…｣
そういっても離してくれない慎太郎。
なんだか懐かしい、慎太郎のこの末っ子感と、樹の意外と面倒見いいところ。
俺の止血が終わると、俺の部屋で3人が頭を下げて謝ってきた。
「北斗ごめん。攻略とか作戦とかって言葉使ったけど、ゲームとかそんなんじゃないから」
樹とも慎太郎とも話すのは久しぶりだった。
中学生の時はよくこうして俺の部屋で集まってた。
だからか、ジェシーが俺の部屋にいるのはとても不思議な感じがした。
「俺らはさ、ジェシーが北斗に話しかけてるの見て期待したっていうか」
「期待…？」
「ジェシーなら、北斗の心開けられるんじゃないかって。また、俺らも北斗と話せるかなって」
攻略って、そういう意味だったんだ。
つまりは、ジェシーと俺を仲良くさせて2人も元の関係に戻りたかったと。
2人が俺のことをそうんなふうに思っているなんて知らなかったし、むしろ2人には….。
「…樹と慎太郎には嫌われてると思ってた…」
「そんなわけないじゃん！」
2人とも声を揃えて、間髪入れずにそう言った。
「あの時は恥ずかしくて言えなかったけどさ、俺ら北斗のこと大好きだから」
「俺もすげえ好きだよ。北斗と話せなくなって、寂しかったもん」
2人の真っ直ぐな言葉に、胸が締め付けられるようだった。
あの日風磨に言われて以降、俺はクラスの全員に嫌われていると思っているから。
だから、嫌われないように、ひっそりと生きてきた。
「俺らこそ……北斗に嫌われてると思ってたから」
樹と慎太郎が気まずそうな顔をする。
きっと、風磨のことを思い出しているんだろう。
｢俺は、別に2人に限らず……誰とも関わららないようにしようって決めてるから｣
誰にも傷つけられたくないし、誰のことも傷つけたくない。
感情に波を立てずに生きていきたいんだ。
｢そんなことさせないよ｣
｢へ…………｣
俺の心を見透かすようにジェシーがそう言った。
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たむら(プロフ) - なつほく。さん» ありがとうございます。初めてコメント頂けてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします( ˘︶˘ ) (5月7日 19時) (
レス) id: 9b094e61db (このIDを非表示/違反報告)
なつほく。(プロフ) - はじめまして！ほくじぇの2人が好きで読ませて頂いています！！お気に入り登録もさせて頂きました！！これからの更新も楽しみにしています！！ (5月6日 23時) (レス) id: 77d33224f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむら | 作成日時：2022年2月22日 22時
