村上魚店。8 (ページ42)

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370 オトンとオカンページ42

黒「雛ちゃん、支度できたー？」

紫「今行くー」

あ、今から雛ちゃんの両親の墓参り行くねん。
雛ちゃんと二人でな！←

夏休み中やから子どもらもって思うたんやけど、今回は俺ら二人だけで行く事になってん。

赤「オトン、家のこと任せてや」

いや…お前に任せるのが一番不安やねんけど。

黄「りょーすばくんとお留守番するから早よ行って！」

亮にはすばる以外見えてへんの？怖いやんそれ←

橙「もう少しでおばあちゃんも来ますし、大丈夫ですよ！」

緑「たあくんな！おばあちゃんにごはんたくさん作ってもらうん！」

はいはい、食いすぎて腹壊さんでな。

青「僕なぁ、宿題するぅ」

ホンマ、章大は良い子やなぁ。
けど宿題てまさか生物を調べるやつやないよな…
いや、オカン来るし大丈夫やろ。

黒「ほな行ってくるわ」

紫「何かあったらすぐ連絡するんよ？」

雛ちゃんと車に乗り込んで、やっと墓に向かって家を出た。

あぁ、雛ちゃんと二人きりなんてめっちゃ久しぶりやなぁ。

紫「なぁ横、久しぶりやし…お墓参りのあとちょっと寄り道せぇへん？」

黒「えぇよ、久しぶりにデートしよか」

ちょっと照れながら言うてくるのとか、ホンマたまらんわ。
何で雛ちゃんてこんな可愛いんやろ。

しばらく車を走らせて、雛ちゃんの両親の墓に到着した。

黒「お父さん、お母さん、俺らみんな元気にやってます。せやからこれからもずっと見守っててください」

孫を抱く事は叶わなかった雛ちゃんの両親。
それでも子どもらの中には存在してて、この先もそれは変わらへん。

紫「オトン、オカン…お店頑張ってるで？ちゃんと見ててくれとる？子どもらも横もみんな仲良しやねんで」

そのまま雛ちゃんは天国のお父さんお母さんと話しをしとって、俺は後ろで涙を堪えながら見守った。