村上魚店。8 (ページ40)

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雛ちゃんの風邪が治りかけた頃、何故か章大が風邪を引いた。

黄「しょーちゃん大丈夫なん？」

青「ゴホッゴホッ、うんっ、だいじょぶ」

亮は自分の片割れが風邪引いたもんやからアカン言うてもひっついて離れようとせぇへん。

…せやから移るんやん。
ほんで病院連れて行くって言うたらむっちゃ泣いて嫌がるやん。

てか何で章大移ったんやろ。

黒「なぁ章大、オカンのところにおった？」

青「ゴホッ…おったぁ…しょーちゃんオカンにツルさん折っててん」

黄「しょーちゃんな！オトンが店開けてる時、ずっとオカンのとこおったで！」

…そりゃ風邪引くやろ。
ホンマ章大ってアホなんか何なのか…

黒「オカン風邪引いてるから部屋入ったらアカン言うたやろ？」

青「…っ、やってぇ…ゴホッ…オカンに…早よ元気になってほしかったもんやもん」

風邪の辛さとアカン事したって罪悪感でみるみるうちに涙目になった。

黒「そ、そうやな、オトンこそごめんな？ほら、早よ良くなってオカンのお手伝いしたってな？」

嫌がる亮を章大から引き剥がして何とか部屋に連れてきた。

青「オトン…ゴホッ…しょーちゃん…悪い子やから、ゴホッ…風邪ひいたん？」

布団に寝かせると突然そんな事を言い出した。

黒「章大は悪い子ちゃうで？誰よりも優しいんやで？せやからそんなん思わんでえぇねん、わかるか？」

今は意味がわからんでも、章大の優しさはきっと将来も誰かの力になるから、今の気持ちを大切にしてほしい。

黒「章大の優しさはみんなを元気に、幸せにすんねん。せやから早よ良くなってみんなを笑顔にしてな？」

部屋の外で座って待ってる亮の為にもな？って言うたら、笑いながらそうやねって。

黒「ほら、オトンおるから少し寝なアカンで？」

青「オトン…ゴホッ…手…つないでほしい」

布団から出した手を優しく握ると、安心したんかすぐに寝息を立て始めた。