村上魚店。8 (ページ37)

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閉店後、雛ちゃんとすばるに家の事を任せて実家に向かった。

亮はずっとグズグズしてたみたいで、俺のオトンもオカンも困り果てとった。

横母「ごめんなぁ？何にもできひんかったのよ」

黒「いや、迷惑かけてごめん、俺ちょっと話してくるわ」

客間の隅っこで体育座りしてる亮にそっと近づくと、クルンと振り向いて俺に抱きついてきた。

黄「オトンっ…りょ…いらん子なんっ？」

黒「何でよ、亮は要らん子ちゃうで？それにな、亮がおらんとみーんな寂しい言うてたで？」

あやすように背中をポンポンすると、少しだけ落ち着いたんか顔を上げた。

黒「亮、朝隆平が言うた事な…ホンマはオトンが言おうとしてん。それを隆平が先回りして言うてしまってん」

せやから隆平の事許したってな？オトンが亮にごめんなさいしないとやねん。って言うたら、良いよ。やって。

亮もホンマはもう怒ってなんかなかったんやな。

ただ誰も来おへんから寂しかったって事やんな？

黒「よしっ、ほな家帰ろ？隆平と雛ちゃんが美味い夕飯作ってくれてるで」

黄「…帰る、オトン抱っこ」

こんな風に俺に甘えてくる事が珍しくて、そりゃー素直に抱っこするやろ！←

オトンとオカンに二人で挨拶して、そんまま亮を抱っこして家まで帰った。

家に入ると真っ先に隆平が亮のとこまで来て、ごめんな亮ちゃん。って。

亮も隆兄ごめんなさいって素直に謝れたみたいやな。

赤「亮、すばくんとこ来るか？」

すばるが隣を叩いたら、抱っこされとった亮がさっさとすばるの隣に行ってもおた。

…すばるめ……絶対わかっててやったやん今！

紫「オトン、ありがとね？」

雛ちゃん…雛ちゃんは俺の味方やもんな←

橙「今夜の夕飯は！亮ちゃんもみんなも大好きなから揚げですっ！たっくさん食べてくださいねぇ」

隆平にいつもの笑顔が戻って、亮も美味そうに飯食うて、一件落着やな。

黄「オトン、りょー今日オトンと一緒に寝る」

ポツリと言うた一言で今度はすばるが固まった。

黒「すばる、すまんなぁ？」

ホンマ、楽しい家族に囲まれて今日も幸せやなぁ。

終