村上魚店。8 (ページ31)

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結局あの後どうなったと思う？

俺何ヶ月か頻繁に魚屋さん行ってんで？

けど…あの子を見かけても声かけれんかってん。

むっっっちゃ恥ずかしくて。

そうこうしてる間にオカンの骨折も治って、俺は買い物について行くのをやめた。

やって、あんな可愛い子に自分から話しかけるやなんて無理やし…話しかけてキモい言われたら立ち直られへん。

「ホンマ、そのシャイなの誰に似たんやろなぁ」
黒「もー、オカンうるさいっ！」

オカンも魚屋のおばちゃんに最近見ないけどって言われたらしい。
もう無理や。

俺の人生終わったんや…

_____
って何でこんな恥ずかしい事思い出すん俺！！！

紫「そんな小さいのに人生終わりて…ヨコは昔から大袈裟やなぁ」

黒「やって雛ちゃん、雛ちゃんあん時からずっと可愛いやん、そんなん声かけられへんて」

紫「けどその時話しかけられてたら私ら高校も違うとこ行ってたかもなぁ」

…それもそうやな。
思春期なって、何となく気まずくて…ってパターンもあるもんなぁ。

黒「て事はそん時話しかけへんで良かったいう事やん！」

紫「ふふふ、それもそうやなぁ」

ホンマにヨコはおもろいなぁって笑う雛ちゃんが可愛くて、そっと抱き寄せた。

黒「けどこうして夫婦になって、家族になって…ホンマに運命やって思うてるで？」

紫「せやね。私はヨコに見つけてもらえてホンマに嬉しいで。私の事、ずっと愛してくれてありがとう」

当たり前やん。
こんな可愛い奥さんやで？！

例え幼い俺が声かけれんで終わりやーって思うても、今は俺の腕の中におって幸せやし。

黒「雛ちゃん、子どもらも寝てるし、な？」

紫「せやね、ほな私たちも寝よか」

いつまでも色褪せへんこの想いを、これから先も二人で大切にしていこな？

あの日の俺に感謝？やな。

終