村上魚店。8 (ページ30)

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359 忘れてた思い出？麻依ちゃんリクページ30

黒「なぁなぁ雛ちゃん、俺昔この店にオカンと買い物来てたん知ってた？」

紫「そうなん？全然覚えてへんわ」

…まぁそりゃ覚えてへんのも無理ないかぁ…

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十数年前…

黒「オカン今日のご飯何？」

「今日はお魚さんやで」

子どもの頃って何でか魚好きなのはごく少数で、実は俺もそのうちの一人。

俺の場合、魚がめっちゃ好き言うより、そこのお店におる女の子を見れるのが嬉しい。

「いらっしゃい、いつもおおきにねぇ」

「今日は何がおススメ？」

オカンと店のオバちゃんは大体いつも話しが長い。
けどその長話しも俺は嬉しい。

やって、あの子を見れるかもしれへんやん？

いっつも店先におるわけやないから、たまに姿を見れた時は嬉しくて、けどはずかしいから喋った事はまだない。

黒「…今日はおらんねや」

「何してるん、ほら、帰るで？」

今思えばあれが俺の初恋やったんかな。

そのあと何度かオカンにくっついて行ったけど、あの子に会える事はなかった。

親戚の子とかやったんかな。

そんな日が続いてたある日、オカンが階段から落ちて骨折した。

黒「…っ、おれ…びっくり、したぁっ…」

俺はオカンが怪我したって事にめっちゃショックを受けて号泣したのを今でも覚えとる。

そこからオカンに代わって買い物に行く日々が始まった。

黒「オカン、骨には魚が良いらしいで！」

そう言うて魚屋に行く口実を作ったりもしてた。

何回か一人で店に来てたら、やっと俺の顔を覚えてくれたオバちゃんが教えてくれてん！

「私にも同い年の娘がおるんよ～、今度会うたら仲良うしたってなぁ？」

黒「もちろん！」

って威勢良く言うたけど、女の子に声なんてかけられへんて……