＊absk (ページ15)

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「佐久間、帰ろ」

「うん、・・・」

みんなに挨拶をして、仕事場を後にした。

ついに今日が来た。

仕事中緊張しっぱなしで、あまり集中できていなかったかもしれない。

しかし今日は人生最大の大一番。

部屋の掃除も済ませたし、少しでも雰囲気を良くしたい思いからキャンドルなども買ってみてた。

ワインに合うチーズやらちょっとした料理などの酒の肴の用意も完璧。

家の準備は万端だ。

隣を歩く佐久間に声をかける。

「佐久間。ちょっとしたつまみは用意してあるんだけど、一応コンビニ寄ってく？」

「あ、うん！俺喉乾いたから水買いたい！」

店内に入りカゴの中に氷や追加のお酒やら色々入れ、後ろにいる佐久間に声をかけた。

「他に何か食べたいものある？」

「へっ？、・・・大丈夫！」

二人一緒にレジに並び会計を済ます。

店内から出ると、佐久間が口を開いた。

「あべちゃん！俺の嫁がクジの景品でレジ横に居たから引いてきていい？」

「いいよ、じゃあ戻ろっか」

「大丈夫！俺一人で行ってくるから、ちょっと待ってて！！」

慌てて店内へ戻ってしまったので、店横にあるベンチに座ってスマホを開いて待つ事にした。

佐久間はほんの数分で帰って来てたが、手には何も持っていなかった。

「ごめん、お待たせ！嫁売り切れてた〜！早く行こ！」

何に慌てているか分からないが、急かされて家へ向かう事になった。

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