犬みたい ページ37
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風呂から上がってソファーに座るAの足元に座った。
そうしたらバスタオルで髪をある程度乾かしながら言った。
『私さ、引退しようと思って』
「…え？」
『こっち向かないで』
タオルでAの顔が見えない。声が震えてるのが分かる。
『仕事しながら子どもの世話するのも幸せかなと思ってたんだけどね、うめと子どもとお家にいるのもまた幸せかなって』
「俺は何があっても幸せだけどね、Aがいてくれたら」
『そう言ってくれるの嬉しい』
学生時代からずっと声優として生きてきたA。色んな幸せを見つけたいと思ったんだろう。幸せになる方法はいくらでもある。
『いっぱい悩んだけど、これがいいんだと思うの』
「Aがそう思うなら俺は応援する」
『なんか今日のうめ優しいね。勝手にしたらって言うと思ってた』
「俺そこまで冷酷じゃないんだけど」
『ふふ。ね、ぎゅーして』
「じゃあそっち向いていい？」
『いいよ』
Aの方を向くと、涙をぼろぼろ零して泣いていた。
どれだけ拭っても溢れ出てくる涙を止めるには時間がかかりそうで、抱きしめたらもっと泣き止まなくなった。
相当悩んだと思うし、事務所と話し合いのために帰ってくるのも遅かった。やっと決断出来て肩の荷が下りたんだろう。泣き止んだ頃には寝ていてベッドまで運んだ。
公式で発表してからAの元にはたくさんの連絡が来ていてびっくりしていた。
特にこの人は。
「ねえなんで辞めちゃうの…嫌だ…」
『こうちゃん泣かないで』
「やだよ…泣くに決まってるじゃん…！」
「お前毎晩来てるけどいい加減来るのやめたら」
「梅ちゃん酷い！」
西山はAが引退したら、もう一生会えなくなるとでも思っているのか。毎日家に来る。来ては泣いてを繰り返しているのでそろそろ執拗い。
『こうちゃん、もう会えなくなるわけじゃないんだしそんなに泣かないで…まだ半年あるんだよ』
「もう半年だよ！」
『怒った…』
「西山」
「なに梅ちゃん」
「次泣きながら来たら、もう出禁な」
「それは困る！もう泣かないから遊びには来させて！」
「お前の出方次第」
「頑張りますので！」
『ありがとうこうちゃん』
Aが西山の頭をぽんぽん撫でたら犬みたいに喜んだ。ちょろい奴だな。
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ゆり(プロフ) - p@n@さん» 笑笑はい！それで大丈夫です！ (2020年10月19日 6時) (
レス) id: 69f8b07294 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - 望叶mokaさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！そのリクの内容だけで幸せな気持ちになります…ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2020年10月18日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ゆりさん» 公式発表でめっちゃ笑いました笑 早速ありがとうございます！産まれる前の設定で宜しいでしょうか……？これからもよろしくお願い致します！ (2020年10月18日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
望叶moka(プロフ) - 凄く面白くて、陰ながら応援してた小説……まさかの続編嬉しいです！！リクで、ひょろっと男子で娘ちゃんの可愛さに惚気けるうめめが見たいです笑 (2020年10月18日 23時) (レス) id: b04e5afd09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - p@n@さん» 続編の公式発表？？嬉しいです！笑もう、どこまででもついて行きます！リクエストお願いします！全力嫉妬する梅原さん見たいです！ (2020年10月18日 23時) (レス) id: 69f8b07294 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：p@n@
| 作成日時：2020年9月6日 11時
