【完】梅 と 松【梅原裕一郎】

癒し ページ11

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ただいまーとリビングに入ったらうめがソファーで寝ていた。あらあら、そんな所で寝たら首痛くなるよ。起きたら毎回「首痛い」って言ってる。可哀想だけど起こしてあげよう。

『うめ、ただいま。ソファーで寝たら首痛くなるよ』
「……うん」

起きたのかな。けど目は閉じたまま。また眠りそう。
最近忙しそうだったもんね。私がお風呂から戻って来るまでは寝かせてあげよう。

起こしちゃまずいと思ってひっそりお風呂に入って戻ってきたら普通に起きてゲームをしていた。えっ。びっくりした。

「おはよう」
『お、おはよう。いつの間に起きたの』
「お前が風呂行ってすぐくらい」
『意外とすんなり起きたんだね』
「じゃないとこの後眠れなくなるからね」

てっきりこのまま寝続けると思っていたけど全然そんなことなかった。でも顔は少し疲れてた。癒しを欲してるはず。
隣にピッタリくっ付いて座ってみた。

『うめ〜』
「え、なに？」
『どう？癒された？』
「全然」
『えっ』

多分うめにとっての癒しは、それ以上のものだろう。
手に持ってたゲームをテーブルに置いて、代わりに私の手を握ってもらった。

『うめ！』
「なに」
『いつもお疲れ様です！』
「どうも」
『明日も頑張りましょう！』
「俺明日オフ」
『まじか』

ここにきてオフというどんな癒しよりも癒しなものが現れた。おいおい。オフには勝てないじゃん。

『ちょっとさすがの私でもオフには勝てない…オフ以上の癒しはない…』
「いや、俺にとったらオフよりもAが癒しだけど」
『…え？』
「Aに勝てるものなんて無いからな」
『うめ…私のことめっちゃ好きじゃん…』
「今ので台無しだな」
『えっごめん！うそうそ今のなし！』

あ〜もう私いらん事言ったな！バカバカ！
髪を乾かすついでにバスタオルで頭をわしゃわしゃしたら、うめの手が重なった。

「俺が好きなんだからお前は癒しに決まってるじゃん」
『っ…ねえそれほんとに反則なんだけど』
「風呂上がりにそんなことしてくるお前の方が反則だから。準備OKってこと？」
『え。いや、あの、』
「俺まだシャワー浴びてないから、戻ってきたらな」
『うめ…！？』

重なった手が離れて、うめは浴室へ行った。
つまりこれは待ってろって事ですか。

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