3歳児とバイバイ ページ45
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風呂から上がって着替え終わったらAのスマホが鳴った。お迎えが来るらしい。るいくんはまたおもちゃで遊びだした。
『るいくん、パパとママ帰ってくるって〜お片付けしよっか』
「…るいくんまだAちゃんとうめめといたい…」
「パパ達るいくんに会いたいって。だからまた遊ぼう」
「やだ…いっしょにいたい…」
『あらら…泣いちゃった』
今朝やって来てから一度も泣かなかったるいくんがついに泣いてしまった。しかもパパ達に会えないからじゃなくて、まだ帰りたくないからという。可愛すぎる。インターホンが鳴って迎えが来たことを察したるいくんは、勢いを増して泣いた。
多分泣き声が分かったんだろう、落ち着くまで下で待ってるという返事が聞こえた。
『るいくん、お散歩しようか〜。ね、外行こ!』
「うめめもくる?」
「うん、行くよ」
『じゃあ行こっか〜』
お散歩なんてのは嘘に近いから罪悪感があったけど仕方ない。下に行ったらお兄さんと奥さんがいた。察したかのようにまた泣き出した。
「Aちゃんと梅原さんほんとにごめんなさいね、一日ありがとう〜」
『いえいえ!るいくんママだよ〜』
「ママ…きょうはAちゃんとうめめといたい…」
「え〜?お家帰ろ?」
奥さんとAがるいくんを説得してるのを見ていたらお兄さんがコソッと来てくれた。
「ごめんね梅くん」
「いえいえ、楽しかったです」
「本当にありがとう。迷惑かけてなかった?」
「全然。良い子でしたよ。ご飯もいっぱい食べてたし」
「それならよかった…実は二人目が出来て、その病院に行ってたんだよね」
「あ、そうなんですか。おめでとうございます」
「病院の関係もあって、また遊んでもらったりすることあるかもしれないけど大丈夫かな」
「大丈夫ですよ、僕達で良ければ」
るいくんが「お兄ちゃんになりたい」と言っていたのを思い出した。
これもお兄ちゃんになるための一つの試練だなと思って見守っていたら、決着が着いたらしい。
「じゃあ今日はありがとう」
『うん、お兄ちゃんもお姉さんもお気をつけて!』
「ありがとうね〜、るい、ありがとうは?」
てくてく、と駆け寄ってきてくれたから、Aとしゃがんで同じ目線になった。
「Aちゃん、うめめ、ありがとう。またあそぼうね」
『うん!遊ぼうね〜!』
「それまで元気でね」
「うんっ!」
そう言って別れた。少し寂しくなった。昼間は小さい手と繋いでたけど、今はAの手を繋いで部屋に戻った。
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ちた - 返信ありがとうございます。楽しみに待ってます! (2020年9月3日 22時) (レス) id: 39fd240eae (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ちたさん» コメントありがとうございます。更新頻度下がっててすみません!近々更新するお話出来てますのでしばらくお待ちください! (2020年9月3日 19時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - る。さん» ありがとうございます!更新頻度下がってますがこれからもよろしくお願いします! (2020年9月3日 19時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちた - 楽しく拝読させて頂いてます。もう更新はなさらないのですか? (2020年9月3日 18時) (レス) id: 39fd240eae (このIDを非表示/違反報告)
る。(プロフ) - ええもう最高です!きゅんきゅんしすぎて心が持ちそうにないです! (2020年8月26日 7時) (レス) id: 3de2d695dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2020年8月5日 21時