初対面 ページ22
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両親が住む遠い親戚の結婚式に出るため東京に来るらしい。いい機会だから梅原さんに会わせてよと言われて初対面を果たすことになった。
『はぁ…』
「なんでAが憂鬱になってんの」
『緊張するじゃん…変なこと言っちゃダメだよ』
「趣味はAV鑑賞ですとか?」
『絶対ダメだよ…!』
母親はわりと寛大ではあるけど、父親が厄介なのだ。
なるべくラジオとかは母親が先に聞いて梅原要素があったら聞かせないらしい。
先に私達が着いて、到着を待ってたらついにその時が来た。
「A!久しぶり!」
『お母さん久しぶり。ごめんね来てくれてありがとう』
「初めまして、梅原裕一郎と申します。ご挨拶が遅れてしまい申し訳ありません」
なに…さっきまで趣味はAV鑑賞とか言ってた人とは思えないくらいしっかりした挨拶するじゃん…!めちゃくちゃ猫かぶってるし…!お母さんと楽しそうに喋ってるうめを見て少し安心した。
『あれ。お父さんは?』
「あ〜お父さん…ちょっと、早く来てお父さん」
『え、なんで泣いてんの…』
「初めまして…梅原裕一郎と申します…」
入ってきた途端号泣してるお父さん。何があった。
うめも私も引いてるよ。
お母さん曰く、彼氏に会う日が来るなんてということで泣いてるらしい。
「ま、まぁ…あはは、A元気にしてた?」
『うん!元気だよ!お母さんもお父さんも元気そうで…』
お父さんは元気そうではなかった。訂正します。
『いつまで東京いるの?』
「明日には帰るよ。お父さん仕事だし」
『そうなんだ!お父さん忙しそうだね』
「うん…おかげさまで……」
「お仕事は何されてるんですか?」
お!うめから仕掛けた!ナイス!お母さんも期待の眼差しだよ!
「医者をしてます…梅原さんは…」
「えっ」
『な、なに言ってんのお父さん!うめも声優だよ!?』
「よくAと出てるアニメ観てるじゃない!」
せっかくうめが仕掛けてくれた話が終わった。そさてお料理が来て和気あいあいと食べた。一名を除いて。
最後のデザートを食べ終えて、そろそろ時間になった。
「お話があります」
「どうしたの?あ、コーヒーいるかしら」
「コーヒーは大丈夫です。あの、初めてお会いしたのにこの話をしてしまっていいのかと悩んだんですけども。Aさんと近い将来、結婚させて頂きたいと思っています」
お母さんは、あら!といった表情で、お父さんはこの世の終わりみたいな顔をしていた。隣に座るうめはしっかりと2人を見つめていた。
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ちた - 返信ありがとうございます。楽しみに待ってます! (2020年9月3日 22時) (レス) id: 39fd240eae (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ちたさん» コメントありがとうございます。更新頻度下がっててすみません!近々更新するお話出来てますのでしばらくお待ちください! (2020年9月3日 19時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - る。さん» ありがとうございます!更新頻度下がってますがこれからもよろしくお願いします! (2020年9月3日 19時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちた - 楽しく拝読させて頂いてます。もう更新はなさらないのですか? (2020年9月3日 18時) (レス) id: 39fd240eae (このIDを非表示/違反報告)
る。(プロフ) - ええもう最高です!きゅんきゅんしすぎて心が持ちそうにないです! (2020年8月26日 7時) (レス) id: 3de2d695dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2020年8月5日 21時