梅 と 松【梅原裕一郎】

ひょろっと筋肉男子 ページ38

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『先お風呂ありがとう〜』
「ん」
『わ、腹筋してる』
「最近サボってたからね」

テレビ台の下に爪先をかけて腹筋をしてるうめ。
上半身はTシャツを脱いでるからなんだか本気でしてるみたい。確かに最近筋トレしてるの見てなかったなぁ。

「Aもしたら？筋トレ」
『え〜運動神経ないからな私。バスケならできるけど』
「最近太ったじゃん」
『え、嘘でしょ。そう思う？』
「思う。騎乗位の時ちょっと重いもん」
『そこまで言わなくていいじゃん！』

まじでか…私太ったのか…体重計には毎日乗ってるけど増えてはないんだけどな…お肉が付いてるってことなのかな。

首に掛けてたバスタオルをフローリングに放って私もうめの隣で腹筋をしようと思った。

『よし！やるぞ！』
「三日で終わりそうだな」
『そんなことないよ！継続は力なり！』
「じゃあやってみ。足ここに入れて、背中くっ付けて、手はこう」
『はい！先生！』
「うるせえな」

私の出せる力全部を出して、上体を起こした。
が、全然上がらない。

『あ、あれ…あの、先生！』
「ダメダメじゃん。どんだけ無いんだよ」
『っぷは…し、しんでしまう…こんなことしたら…あと足も痛い…』
「素足だしな、じゃあこうする？」

お、これはよく体育とかでやったやつです。
私の足を押さえててくれるみたい。

「これならいけるだろ」
『ああ…なんかいける気がする。ちゃんと持っててね！』
「はいはい」
『いきます！せーのっ』
「お、いけそうじゃん」

ゆっくりだけど、１回できた。目をぎゅっと閉じてたから、起き上がれた時に喜びで目を開けたら、真ん前にうめの顔があってびっくりしてそのまま倒れて頭をぶつけた。

『いてっ』
「なにしてんの」
『ちょ、びっくりするじゃん！』
「何がだよ。てか全然ダメダメだな。明日から毎日トレーニングする？」
『嫌です！あの、腹筋は笑って鍛えますので』
「なんだそれ。てか汗かいてんな」

たしかに。なんか暑いしもう1回シャワー浴びないといけなくなった。

あっつーと言いながらお風呂に入る準備をするうめはちょっとかっこいいなと思ってしまった。細くてひょろっとしてるのに筋肉ついてるところはついてるもんな…ちょっとどころじゃないくらいかっこいいじゃん…

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