検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:32,086 hit

其の玖拾弐 義勇視点28 ページ42

「ぁ、……」



桜が艶のある声を出すもんだから、義勇もすっかりその気になってしまう。

もっとその声を聞いていたい。

これ以上すると理性が効かなくなりそうな予感すらあるのに、すでに抑えられなくなりつつあった。



「冨岡さん、お願いします…っ」



懇願するような声を出す桜をもっといじめたくなるが、度を過ぎてしまうと嫌われるのもいやで。

義勇はようやく唇を離した。

ぷるぷると小動物のように身を小さくして体を震わせる桜の声まで震えていた。



「どうして……」

「舐めれば止まると言ったのは桜じゃないのか?」



だから試したのに、なにか問題でもあるのだろうかと桜を見ながら義勇は思う。

ただ、ほんの少しだけやましい気持ちもあったのは認める。

当初の目的は止血だからと思いつつ、桜の恥じらう姿をもっと見たくて少しやりすぎた感があったことも否めない。

ただ、確かに指の出血は止まっているので、本来の目的は達成されただろう。



「止まったな」

「あ…………」



指先に視線を落とす桜。

恥じらう彼女は今自分がどんな顔をしているか知っているのだろうか。

紅潮した頬に色気を生んだ表情を浮かべた桜は男の欲望を掻き立てる。

他の男には絶対に見せたくない、見せられない。

義勇はその表情を目に焼き付けるかのように見つめ続けた。



「ありがとうございました……」



頬を染めた彼女は義勇と目を合わそうとしない。

拒否の言葉を口にはしているが、心の底からというわけではなさそうに見えるなどと都合よく考えた。

其の玖拾参 義勇視点29→←其の玖拾壱 義勇視点27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
56人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桜花(プロフ) - (あ、打ち間違いが……すみません(^^;)胡蝶、宇髄が呼んでる。珍しいな。二人で任務か? (2021年7月21日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 聞いてますよ。そんな所から長々と話されても困ります。嫌がらせでしょうかあと、2年前じゃないんですか。そんなだからみんなからきら………。ド派手にお邪魔する!胡蝶、ここにいたのか。探したぞ!胡蝶しのぶと宇髄天元様じゃ! (2021年7月21日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» いや、だから言おうとした。炭治郎と出会ったのは三年前のことで…………胡蝶聞いてるか? (2021年7月20日 22時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - それで炭治郎君に会ったんですね!なんであの時私に言わなかったんですかね。気になります。今度から気になることがあったら、言ってくださいね。胡蝶しのぶです。これからも頑張ってください。 (2021年7月20日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 懐かしいな。あれ以来、おまえはよく頑張っていると思う。 (2021年7月17日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜花 | 作成日時:2021年6月18日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。