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其の捌拾伍 冨岡さん40 ページ35

「その鬼の特徴を俺にも教えてくれ」

「え……」

「万が一、俺が遭遇した際には鴉を使いに送る」

「あ……、」



優しく重ねられていた冨岡さんの手にキュッと力がこもって。

それと同じタイミングでドキッと私の胸も一際高鳴った。



「もし連れ立って遭遇することになれば、俺も力を尽くすと約束する」

「冨岡さん………」

「だから今は肩の力を抜け」



頭のすぐ上で冨岡さんの優しい声が聞こえた。

確かにさっきまでは怒りで震えてしまうぐらい体に力が入っていたけど、今の肩の力はもう別の意味に変わってしまっていて。

冨岡さんが離れない限り、この緊張は解けそうもない。



「あの、ちょっと…………








近くないですか?」

「っ、す、すまない!」



冨岡さんにしては珍しく、わたわたして離れていった。

チラリと見ると、私に背を向けてしまっている冨岡さんの耳が心なしか赤いような気がした。

おかけで、ますます顔が火のように熱くなるからきっと私の顔も真っ赤になってるに違いない。

冨岡さんが後ろを向いていて助かった、この表情を知られずにすんだから。


私は冨岡さんの手が重なっていた右手を左手で包み込んだ。



「………急いで支度しますね」

「あ、ああ」



違った意味で気まずい空気になってる。

普段、会話をしても冨岡さんがこんなに近くにいることもなければ、こんな風に触れることもなかった。

それに、相手は師範なのにこんな風にドキドキして変な感じ。

でも不思議と嫌な感じはしなくて、むしろ心がほんわりとあったかくなったような。



(この間から私の胸って変だ)



私は自分の感情から目を背けるように、急いで続きを始めた。

其の捌拾陸 冨岡さん41→←其の捌拾肆 冨岡さん39



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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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桜花(プロフ) - (あ、打ち間違いが……すみません(^^;)胡蝶、宇髄が呼んでる。珍しいな。二人で任務か? (2021年7月21日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 聞いてますよ。そんな所から長々と話されても困ります。嫌がらせでしょうかあと、2年前じゃないんですか。そんなだからみんなからきら………。ド派手にお邪魔する!胡蝶、ここにいたのか。探したぞ!胡蝶しのぶと宇髄天元様じゃ! (2021年7月21日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» いや、だから言おうとした。炭治郎と出会ったのは三年前のことで…………胡蝶聞いてるか? (2021年7月20日 22時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - それで炭治郎君に会ったんですね!なんであの時私に言わなかったんですかね。気になります。今度から気になることがあったら、言ってくださいね。胡蝶しのぶです。これからも頑張ってください。 (2021年7月20日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 懐かしいな。あれ以来、おまえはよく頑張っていると思う。 (2021年7月17日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜花 | 作成日時:2021年6月18日 22時

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