其の捌拾肆 冨岡さん３９ ページ34
台所に立った私は、そこにある食材や調味料を確認した。
野菜もあるし、お米もある、少し貧相な献立になりそうだけど食べないよりはマシだろう。
野菜の皮を剥いて大きさを揃えるように乱切りしていく。
こうして誰かのために作る食事は久しぶりだ。
家族が生きていた頃は、よく母の隣に立って手伝っていたっけ。
それを妹が部屋からよく見ていて。
数年前のことなのに、まるで昨日のことのようで、懐かしい思い出だ。
「どうした？」
「っ、」
昔を懐かしむあまり手が止まってしまっていて、冨岡さんの声で我に返った。
そこには心配そうな冨岡さんがいて、妹がよくいた場所に立っているから、一瞬その姿と重なって見えた。
「やはり具合が………」
「違うんです。ちょっと昔のことを思い出していただけです」
そう言うと冨岡さんの表情が『昔のこと？』と不思議そうに変わったから、私は手を動かしつつ昔話を始めた。
「父と母と妹がまだ生きていた頃のことなんですけど、母と一緒に台所に立って手伝いをしてたんです。みんなが美味しいって食べてくれるのが嬉しくて」
家族のことを思い出していると自然と頬が緩む。
大好きだった。
明るくて、優しい両親と可愛い妹に囲まれて幸せだった。
ーーそれなのに、
「あの日からすべてが変わってしまったんです。あの鬼のせいで。あの鬼だけは許せません。私から家族を奪ったあの鬼だけは」
逃げる時に一瞬だけその姿を見た。
遠目でも記憶に残る、あの血をかぶったような模様をした
「あの鬼、次に遭うことがあれば私の手で………っ」
包丁を握る手にギリリと力を込めると、その上から大きな手が重ねられた。
背中には冨岡さんのぬくもりを感じて、さっきまでの怒りなんて一瞬で吹き飛ぶくらい驚いて、代わりに心臓が驚くほどバクバクし始めた。
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桜花(プロフ) - (あ、打ち間違いが……すみません(^^;)胡蝶、宇髄が呼んでる。珍しいな。二人で任務か？ (2021年7月21日 23時) (
レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 聞いてますよ。そんな所から長々と話されても困ります。嫌がらせでしょうかあと、2年前じゃないんですか。そんなだからみんなからきら………。ド派手にお邪魔する！胡蝶、ここにいたのか。探したぞ！胡蝶しのぶと宇髄天元様じゃ！ (2021年7月21日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» いや、だから言おうとした。炭治郎と出会ったのは三年前のことで…………胡蝶聞いてるか？ (2021年7月20日 22時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - それで炭治郎君に会ったんですね！なんであの時私に言わなかったんですかね。気になります。今度から気になることがあったら、言ってくださいね。胡蝶しのぶです。これからも頑張ってください。 (2021年7月20日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 懐かしいな。あれ以来、おまえはよく頑張っていると思う。 (2021年7月17日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年6月18日 22時
