其の漆拾壱 冨岡さん３４ ページ21
体調が戻った私は、怪我人の手当てを申し出たけど体力回復を優先して体を休めるようにと、しのぶちゃんからやんわりと断られた。
退院の許可も得て私はしのぶちゃんの部屋を後にして溜め息をついた。
文句が言いたいわけでも反抗したいわけでもない。
二人が私のことを本当に心配して気にかけてくれていることは痛いほどに伝わってくるから。
ただ、黙って拾ノ型を封印するのは癪だった。
努力することで克服できるのならそうしたい。
そうすれば人間の犠牲も減るはずだから。
だけど、そうなるためにはどうすればいいんだろ。
ただ、がむしゃらに取り組めばいいのだろうか。
今まで通りの稽古量では到底足りないだろうし。
使用禁止をしている冨岡さんには、下手に増やそうとすると感付かれる可能性もあって相談できない。
でも、このまま野放しにはしたくなかった。
憂鬱な気持ちのまま門まで来たところで、はたと足が止まった。
(冨岡さん……？)
ずっと前に帰った冨岡さんがなんでまだここにいるんだろ。
腕を組み壁に背を預けていて、まるで誰かが来るのを待っているような。
(まさかね……)
それが私かも、なんて冗談に思っていると冨岡さんから近づいてきて私の目の前で立ち止まった。
「帰るのか？」
「え？あ、はい。怪我もしてませんから。しのぶちゃんから許可ももらいました」
「そうか。家まで送ろう」
冨岡さんがクルリと背を向けて歩き始めたのを、私はすぐに追うことができなかった。
冗談だと思うことが真実だった時、人って驚いて動くことができないもんなのね。
「冨岡さん」
名前を呼ぶと冨岡さんは足を止めて振り返ってくれた。
「もしかして、待っていてくれたんですか？」
もし今日帰ることにならなかったら、どうするつもりだったの。
待ちぼうけになっていたかもしれないのに、それなのに。
「どうしてそんなに私のこと……気にかけてくれるんですか？」
「…………」
蝶屋敷まで運んでくれたり、家まで送ろうとしてくれたり。
気になってしまったことを探るように聞くと、冨岡さんはしばらく考える素振りを見せて口を開いた。
「おまえは大事な……
(
「……………
(大事な、なに？)」
真っ直ぐ私を見てくる深い蒼色の瞳を見つめ返しながら言葉の続きを待った。
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桜花(プロフ) - (あ、打ち間違いが……すみません(^^;)胡蝶、宇髄が呼んでる。珍しいな。二人で任務か？ (2021年7月21日 23時) (
レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 聞いてますよ。そんな所から長々と話されても困ります。嫌がらせでしょうかあと、2年前じゃないんですか。そんなだからみんなからきら………。ド派手にお邪魔する！胡蝶、ここにいたのか。探したぞ！胡蝶しのぶと宇髄天元様じゃ！ (2021年7月21日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» いや、だから言おうとした。炭治郎と出会ったのは三年前のことで…………胡蝶聞いてるか？ (2021年7月20日 22時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - それで炭治郎君に会ったんですね！なんであの時私に言わなかったんですかね。気になります。今度から気になることがあったら、言ってくださいね。胡蝶しのぶです。これからも頑張ってください。 (2021年7月20日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 懐かしいな。あれ以来、おまえはよく頑張っていると思う。 (2021年7月17日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年6月18日 22時
