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其の陸拾伍 冨岡さん30 ページ15

なんだろ、冨岡さんの腕の中にいるとドキドキする。

まだこんなにも自分を思ってくれる人がいるのだと思うと幸せな気持ちになれた。

そして、男の人からこんな風に抱擁されたことのない私の頬は、少しずつ熱が集中していくのがわかった。

未だに抱き締められたままだから、嬉しさに頬が緩むのと赤い顔を冨岡さんに見られずにすんだのは助かった。




幸福な気持ちに浸っていると、



「おまえ、記憶はあるか?」



今度は冨岡さんの真剣な声が聞こえて私は少しだけ顔を上げた。

前置きのない唐突な質問だったけど、冨岡さんの意図は理解できた。



「鬼を斬ったまではあります。でも、そこからはあまり………」



自分がどんなことをしていて、何を話してたのかポッカリと穴が空いたみたいに抜け落ちてしまってる。

次に気付いたらもうベッドに運ばれていて。

でも、一つだけかすかに頭の片隅に覚えていることがあった。

ふわふわと体が浮遊しているような感覚だ。

あったかくて、優しくて。

ちょうどこんな感じのぬくもりだった。



そんなことを思っていると冨岡さんがスッと体を離した。



「拾ノ型のことは?」

「使ったことは覚えてます」



全ての時が止まったように見えて、巨躯のわりに素早い動きをしていた鬼も、私は簡単にその頚を斬ることができた。

時の呼吸の奥義と称してもいいと思う。

もっともっと鍛練を積めば十二鬼月も倒せるんじゃないかと、その技には期待を持っている。

これで冨岡さんの隣にも堂々と肩を並べて立てるかもしれない。

今は、冨岡さんの継子の肩書きに釣り合うように必死だから。



それなのにーー



「もうあの剣技は使うな」

「え?」



冨岡さんの一言で私は硬直してしまった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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桜花(プロフ) - (あ、打ち間違いが……すみません(^^;)胡蝶、宇髄が呼んでる。珍しいな。二人で任務か? (2021年7月21日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 聞いてますよ。そんな所から長々と話されても困ります。嫌がらせでしょうかあと、2年前じゃないんですか。そんなだからみんなからきら………。ド派手にお邪魔する!胡蝶、ここにいたのか。探したぞ!胡蝶しのぶと宇髄天元様じゃ! (2021年7月21日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» いや、だから言おうとした。炭治郎と出会ったのは三年前のことで…………胡蝶聞いてるか? (2021年7月20日 22時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - それで炭治郎君に会ったんですね!なんであの時私に言わなかったんですかね。気になります。今度から気になることがあったら、言ってくださいね。胡蝶しのぶです。これからも頑張ってください。 (2021年7月20日 6時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 懐かしいな。あれ以来、おまえはよく頑張っていると思う。 (2021年7月17日 23時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜花 | 作成日時:2021年6月18日 22時

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