其の弐佰玖拾陸 遊郭編１２ ページ45
｢あの･･････“須磨”花魁は本当に足抜けをしたのでしょうか？｣
桜が控えめに尋ねると、新入りがなぜそんなことを知りたがるのかと鯉夏の目が不信なものへと変わった。
その表情は明らかに桜を怪しんでいる。
｢どうしてそんなことを聞くんだい？｣
｢それは･･････｣
きっと足抜けの話を聞いていたことも怪しまれる原因の一つだ。
足抜けは借金取りから逃げ出すことだから、須磨が足抜けをしたと鯉夏が思っているなら、その直後に現れた桜たちのことを借金取りが情報を得るために潜入させた回し者だと疑っているのかもしれない。
もしそうなら、上手く説明してごまかさなければ警戒している者から信用を得ることはできない。
相手の警戒心を解くそのために、炭治郎が使った手を桜は借りることにした。
｢須磨花魁は私の姉なんです｣
｢まぁ、そうなの？｣
須磨本人から姉妹がいたことを何も聞かされていなかった鯉夏はとても驚いていた。
だが、この世界では姉妹で売られることはそう珍しいことではないのか鯉夏は簡単に信じてくれた。
現に桜と炭治郎が姉妹で雇われたとなっても、誰からも疑われはしなかった。
｢可哀想に。三姉妹で遊郭に売られてきたのね｣
｢はい。姉とはずっと手紙のやりとりをしていたのですが、突然途絶えてしまって。でも、足抜けするような人ではないはずなんです･･････｣
｢そうだったの･･･｣
桜が作った話にも鯉夏は真剣に耳を傾け悲しげに眉をひそめた。
親身に聞いてくれるその姿から鯉夏の優しさがにじみ出ている。
そんな彼女を騙すために次から次へと嘘をつくことに桜の心が痛んだ。
でもきっと鬼に捕らえられたのだと真実を言っても、むしろそちらのほうが嘘のような話である。
わざわざ、そんな恐ろしい話を聞かせて不安を煽るようなこともしなくてもいい。
ここでの目的は情報を得ることだと割り切って桜は嘘をつくことの後ろめたさに蓋をした。
｢確かに私も須磨ちゃんが足抜けするとは思えなかった。しっかりした子だったもの｣
鯉夏が話すには、男の人にのぼせている素振りもなかったのだが、見つかった日記には足抜けすると書いてあったそうだ。
鯉夏にはよくわからない内容でも、桜と炭治郎にはすぐにピンときた。
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風花 - 桜花さん、お久しぶりです。覚えて頂けていますでしょうか？久しぶりにニヤニヤしながら一気に読んじゃいました(笑)これからも更新を楽しみにしています(*^^*) (2023年4月12日 4時) (
レス) id: 0f5aae934e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇とリヴァイ推しさん» 更新亀より遅いのに通っていただき、ありがとうございます( o̴̶̷᷄ ·̫ o̴̶̷̥᷅ )義勇さん、きっと不死川さんも喜ぶと思います。でも、喧嘩はしないでくださいね( *´꒳`*) (2022年4月30日 13時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇とリヴァイ推し - 不死川…俺の継子に(稽古してくれた)ようだな…。感謝する…。後で、懐にお萩忍ばせて(おいて)あげよう。義勇と杏寿郎推しから“義勇とリヴァイ推し”になった。中の人は一緒だからな。冨岡義勇だ。ゆっくりで良いから頑張ってくれ…。 (2022年4月25日 20時) (レス) @page33 id: 39583b605b (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» お久しぶりです(^^)ずいぶんと更新がストップしていて、すみません。まだまだ亀更新ですが、頑張ります！ (2022年3月19日 19時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - むっ！冨岡と夢主いつのまにか仲良くなっているではないか！！これから、この2人が恋仲になりそうだな！！炎柱、煉獄杏寿郎だ！これからも頑張ってくれ！！ (2022年3月14日 6時) (レス) @page23 id: 3737ce31ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜花 | 作成日時：2022年1月10日 11時
