其の弐佰捌拾玖 遊郭編5 ページ38
「ところで、今度の任務はどちらですか?」
「日本一、色と欲にまみれたド派手な場所。鬼の棲む“遊郭”だよ」
「?」
「?」
「?」
「・・・・・・・・・」
それはどこだ?と首をかしげながら桜と炭治郎と伊之助は顔を見合わせる。
一人その場所に想像のついた善逸は何も知らずに任務に就こうとしている桜のことが非常に気になった。
先頭を歩く天元、その少し後ろを歩く炭治郎と伊之助からあえて少し距離をとった善逸が桜の袖をチョンチョンと引いた。
「桜さん、桜さん」
「なに?」
「今回の任務、本当に大丈夫なんですか?」
「体調なら本当にもう平気ですよ」
「いえ・・・そうじゃなくて・・・・・・。その・・・俺達男なら問題ないけど、女の子の桜さんにはちょっと・・・その・・・・・・」
控えめにモジモジと照れくさそうに話す善逸の姿を視界に入れてしまった伊之助。
「クネクネとイモムシみてーに気持ち悪ぃな、おまえ」
「常に上半身裸のおまえに言われたくないんですけどっっ!!変態っ!!」
「だぁれが変態だっ!!」
善逸が伊之助と取っ組み合いを始めてしまったので、桜は結局彼が自分に何を伝えたかったのかわからず終いになってしまった。
しかし、善逸ももうそのことなど忘れたかのように伊之助と揉み合いをしているので大した事はないのだろうと桜も善逸に聞き返すこともしなかった。
ギャアギャア騒ぎながら歩いていると、天元が足を止めクルリと振り返ったので、他の面々もピタリと歩みを止める。
「花街までの道のりの途中に藤の家があるから、そこで準備を整える。お前ら付いて来い」
「はい!」
フッとその場からいなくなった天元に驚く炭治郎、善逸、伊之助。
そして一人大きく返事した桜の姿もその場にないことに炭治郎は気がつく。
「桜さんは!?」
「炭治郎!あそこだよ!あそこ!」
姿を探すように炭治郎はキョロキョロと辺りを見回す。
善逸が指差す先、遥か彼方に豆粒のように小さくなった天元と桜がいた。
その速さときたら、その場に立ち尽くす三人は絶句していた。
「アイツらいつの間に・・・・・・」
「俺たちも早く行こう」
「お、おう」
「あ!待ってくれよ!」
三人は大慌てで天元たちを追いかけた。
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風花 - 桜花さん、お久しぶりです。覚えて頂けていますでしょうか?久しぶりにニヤニヤしながら一気に読んじゃいました(笑)これからも更新を楽しみにしています(*^^*) (2023年4月12日 4時) (レス) id: 0f5aae934e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇とリヴァイ推しさん» 更新亀より遅いのに通っていただき、ありがとうございます( o̴̶̷᷄ ·̫ o̴̶̷̥᷅ )義勇さん、きっと不死川さんも喜ぶと思います。でも、喧嘩はしないでくださいね( *´꒳`*) (2022年4月30日 13時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇とリヴァイ推し - 不死川…俺の継子に(稽古してくれた)ようだな…。感謝する…。後で、懐にお萩忍ばせて(おいて)あげよう。義勇と杏寿郎推しから“義勇とリヴァイ推し”になった。中の人は一緒だからな。冨岡義勇だ。ゆっくりで良いから頑張ってくれ…。 (2022年4月25日 20時) (レス) @page33 id: 39583b605b (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» お久しぶりです(^^)ずいぶんと更新がストップしていて、すみません。まだまだ亀更新ですが、頑張ります! (2022年3月19日 19時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - むっ!冨岡と夢主いつのまにか仲良くなっているではないか!!これから、この2人が恋仲になりそうだな!!炎柱、煉獄杏寿郎だ!これからも頑張ってくれ!! (2022年3月14日 6時) (レス) @page23 id: 3737ce31ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年1月10日 11時