其の弐佰捌拾陸 遊郭編2 ページ35
そして肝心な時に鬼の頚に刃が通らなかったりしただけに、こうして柱からたたえられることが、いつだっておこがましいような気が桜はしてならなかった。
「なんだぁ?地味な顔しやがって。堂々としろ」
「それ、似たようなことを不死川さんにも言われました」
「不死川?アイツが他人を褒めるなんて珍しいこともあるもんだな」
けなしてるのか褒めているのかわからないような言葉に桜は苦笑し肩をすくめた。
「ところで、宇髄さんはなぜアオイちゃんを攫おうとしてるんですか?」
「人攫いなんて人聞き悪ぃな!」
天元は不愉快だと言わんばかりに目をつりあげて怒鳴る。
だけど、アオイの悲鳴を聞いて駆けつけてみればジタバタと天元から逃れたそうに暴れていて、きよたちがそれを静止しようとしているわけだ。
これを見たら天元がアオイを無理矢理連れ去ろうとしていると結論に至るのは当たり前だと思うのだが。
「いいか!耳の穴かっぽじってド派手に聞いてろ!!」
「まさか、音柱である宇髄さんともあろうお方にそんな嗜好があるなんて・・・・・・」
桜の顔はそんな小さな子まで嫁にするのか、とありありと書かれていて、下衆でも見るような目でヨロヨロと数歩後ろに下がる。
「人の話を最後まで聞けっつーんだよっ!!だいたい俺には命よりも大事な嫁が三人もいることはおまえも知ってんだろぉがっ!!!」
「じょ・・・冗談ですよ冗談・・・」
白目を剥くほどに目を吊り上げた天元に、桜は『まあまあ落ち着いて』と両手を前に小さく数回出した。
「本当の理由は何なんですか?」
「今回の任務で女の隊員が要るから探してたんだ。役に立ちそうもねぇが、こんなのでも一応隊員だしな」
「・・・・・・・・・」
天元の言葉を聞いた瞬間、これまでにこやかだった桜の表情がスッと冷めた。
アオイに対して色んな意味で乱雑な扱いをする天元に桜は顔をムッとさせる。
『役に立ちそうもない』とアオイのことを侮辱した発言が気に入らなかった。
「宇髄さん。柱である貴方に格下である私が意見できるような立場でないことは重々承知していますが言わせてもらいます。そのような言い方はアオイちゃんに失礼ではありませんか?」
「・・・・・・・・・」
桜の言葉に天元は何か失言でもしたか?と言いたげな表情で彼女を見ていた。
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風花 - 桜花さん、お久しぶりです。覚えて頂けていますでしょうか?久しぶりにニヤニヤしながら一気に読んじゃいました(笑)これからも更新を楽しみにしています(*^^*) (2023年4月12日 4時) (レス) id: 0f5aae934e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇とリヴァイ推しさん» 更新亀より遅いのに通っていただき、ありがとうございます( o̴̶̷᷄ ·̫ o̴̶̷̥᷅ )義勇さん、きっと不死川さんも喜ぶと思います。でも、喧嘩はしないでくださいね( *´꒳`*) (2022年4月30日 13時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇とリヴァイ推し - 不死川…俺の継子に(稽古してくれた)ようだな…。感謝する…。後で、懐にお萩忍ばせて(おいて)あげよう。義勇と杏寿郎推しから“義勇とリヴァイ推し”になった。中の人は一緒だからな。冨岡義勇だ。ゆっくりで良いから頑張ってくれ…。 (2022年4月25日 20時) (レス) @page33 id: 39583b605b (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» お久しぶりです(^^)ずいぶんと更新がストップしていて、すみません。まだまだ亀更新ですが、頑張ります! (2022年3月19日 19時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - むっ!冨岡と夢主いつのまにか仲良くなっているではないか!!これから、この2人が恋仲になりそうだな!!炎柱、煉獄杏寿郎だ!これからも頑張ってくれ!! (2022年3月14日 6時) (レス) @page23 id: 3737ce31ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年1月10日 11時