其の弐佰捌拾参 不死川実弥2 ページ32
「来い」
「はい!どこまででも付いて行きます!!」
「バカがァ!訓練場まででいいんだよッッ!!」
「はいぃっ!!」
ギッと実弥に横目で睨まれ、桜はピン!と背筋を伸ばした。
苦手意識はだいぶ消えたけど、やっぱり怖いです不死川さん!
スタスタと先に訓練場に歩いていく背中に、桜は半べそをかいてその後を追いかけた。
◆◆◆◆◆
「ま、参りました〜〜・・・」
「ったく、根性ねェなァ・・・」
荒い呼吸を繰り返しながら床に寝転んでしまった桜の頭上で、呆れたような実弥の声が聞こえた。
そんなこと言われたって、そもそもの力に差が大きくありすぎるんですよ。
と、言いたくても酸素を取り込むだけで精一杯の桜は何も言い返せずにいた。
あれから桜はしこたま実弥の訓練を受けた。
全身訓練に近い内容だが、実弥の訓練ともあって容赦のないかなりハードな内容だった。
元の体に戻すための機能回復訓練よりもしんどい。
「まァ、病み上がりならそんなところか。・・・・・・おい、起き上がれるか?」
「ありがとうございます」
言葉はぶっきらぼうだけど、スっと伸ばされた手から優しさがにじみ出ていた。
桜は遠慮することなく、その手を取り体を起こした。
座り直しながら桜はどうしても気になっていたことを聞いてみることにした。
「不死川さん、聞いてもいいですか?」
「なにをだ?」
「どうして継子でもない私の訓練に付き合ってくれたんですか?」
隣に腰を下ろす実弥の姿を目で追いながら、桜は問いかけた。
「興味があったんだ。
「私が?十二鬼月と・・・?」
渡りあった戦いというのはいつのことだろうか。
那田蜘蛛山では義勇が瞬殺したおかげで、出番はゼロ。
無限列車でも戦いという戦いにもならず、攻撃は何か役に立てていたのだろうかというレベルだ。
怪訝な顔をして悩む桜の姿に、実弥は薄らと口角を上げた。
「一緒に戦ったんだろ、煉獄と。上弦の参と格闘したって話じゃねェか」
話がかなり大きくなって伝わっている気がした。
渡りあったなんて・・・・・・そう言えるほど技はほとんど猗窩座に打撃を与えることはできなかった。
杏寿郎の援護が少しできたかな?くらいのもんである。
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風花 - 桜花さん、お久しぶりです。覚えて頂けていますでしょうか?久しぶりにニヤニヤしながら一気に読んじゃいました(笑)これからも更新を楽しみにしています(*^^*) (2023年4月12日 4時) (レス) id: 0f5aae934e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇とリヴァイ推しさん» 更新亀より遅いのに通っていただき、ありがとうございます( o̴̶̷᷄ ·̫ o̴̶̷̥᷅ )義勇さん、きっと不死川さんも喜ぶと思います。でも、喧嘩はしないでくださいね( *´꒳`*) (2022年4月30日 13時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇とリヴァイ推し - 不死川…俺の継子に(稽古してくれた)ようだな…。感謝する…。後で、懐にお萩忍ばせて(おいて)あげよう。義勇と杏寿郎推しから“義勇とリヴァイ推し”になった。中の人は一緒だからな。冨岡義勇だ。ゆっくりで良いから頑張ってくれ…。 (2022年4月25日 20時) (レス) @page33 id: 39583b605b (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» お久しぶりです(^^)ずいぶんと更新がストップしていて、すみません。まだまだ亀更新ですが、頑張ります! (2022年3月19日 19時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - むっ!冨岡と夢主いつのまにか仲良くなっているではないか!!これから、この2人が恋仲になりそうだな!!炎柱、煉獄杏寿郎だ!これからも頑張ってくれ!! (2022年3月14日 6時) (レス) @page23 id: 3737ce31ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年1月10日 11時