其の弐佰陸拾玖 冨岡義勇６６ ページ19
義勇が話しかけても桜は窓の外を見ながらか、布団の中から返事をするのどちらかで、いつまでも義勇の顔を見て話そうとはしなかった。
義勇は今も見ようとしてくれない桜の後頭部を見つめた。
(嫌われただろうか･･････)
しのぶからはよく『だから嫌われる 』のだと幾度となく言われてきたが自分では嫌われているとは思っていなかったし、そうだとしても気にもすらならなかった。
なぜ嫌われるのかその理由も知ろうなどと思うこともなければ、それを正そうとも思わなかった。
だけど、桜は違う。
桜にだけは嫌われたくないし、嫌われたならそれを償いたかった。
桜を傷付けておいて自分が傷付くなんて滑稽な話である。
だが、こうしてずっとあからさまに桜から避けられるのはもう我慢できなかった。
いい加減元の仲に戻りたいなど厚かましい願いではあるが義勇は望まずにはいられなかった。
｢桜｣
｢なんでしょう｣
｢頼むから俺を避けないでくれ｣
｢なんのことでしょう？私は誰も避けてませんよ？｣
声は普段通りだが、桜の言っていることと態度はまったく真逆だ。
あきらかに桜は窓の外を見ている。
会話をしていても一度も義勇の方を見ない。
｢なら、なぜ俺に背を向ける｣
｢背なんて向けていません。窓から外の景色を見ているんです。いけませんか｣
｢…………………｣
義勇は桜の言葉に内心息を吐いた。
あくまでも桜がそう言い張るならそれでいい。
義勇もいつもならそれ以上どうこう言ったりはしなかった。
だが今日の義勇は違う。
この状況を打開したいと思っているのだ。
義勇は窓から外を見る桜の視界を遮るよう正面に移動する。
｢！？！？！？｣
急に視界に飛び込んできた義勇の姿に驚いた桜は、大袈裟なくらい体をびくつかせた。
それが怪我に響いたのか、小さく呻きうずくまった。
｢大丈夫か！？｣
心配して顔を覗き込んだ義勇から顔をそらそうとした桜の頬を、義勇が両手で挟み食い止めた。
この期に及んでというか･･････。
｢あからさまだな。これのどこが避けてないといえる？｣
｢そ、そうですか？？？｣
最終手段とばかりに目をそらして抵抗をみせる桜。
あきれるほどに往生際が悪い。
一番悪いのは後先考えず軽はずみな行動をした自分自身だという自覚もある。
だが、それでも好いた女に避けられるというのはたまらなく辛い。
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風花 - 桜花さん、お久しぶりです。覚えて頂けていますでしょうか？久しぶりにニヤニヤしながら一気に読んじゃいました(笑)これからも更新を楽しみにしています(*^^*) (2023年4月12日 4時) (
レス) id: 0f5aae934e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇とリヴァイ推しさん» 更新亀より遅いのに通っていただき、ありがとうございます( o̴̶̷᷄ ·̫ o̴̶̷̥᷅ )義勇さん、きっと不死川さんも喜ぶと思います。でも、喧嘩はしないでくださいね( *´꒳`*) (2022年4月30日 13時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇とリヴァイ推し - 不死川…俺の継子に(稽古してくれた)ようだな…。感謝する…。後で、懐にお萩忍ばせて(おいて)あげよう。義勇と杏寿郎推しから“義勇とリヴァイ推し”になった。中の人は一緒だからな。冨岡義勇だ。ゆっくりで良いから頑張ってくれ…。 (2022年4月25日 20時) (レス) @page33 id: 39583b605b (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» お久しぶりです(^^)ずいぶんと更新がストップしていて、すみません。まだまだ亀更新ですが、頑張ります！ (2022年3月19日 19時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - むっ！冨岡と夢主いつのまにか仲良くなっているではないか！！これから、この2人が恋仲になりそうだな！！炎柱、煉獄杏寿郎だ！これからも頑張ってくれ！！ (2022年3月14日 6時) (レス) @page23 id: 3737ce31ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜花 | 作成日時：2022年1月10日 11時
