其の弐佰玖 無限列車編6 ページ9
さて行こうかとなった時、二人の元にしのぶがやって来た。
「今から出陣ですか?」
「胡蝶か」
「しのぶちゃん!」
杏寿郎と桜が同時にそちらに向く。
「しのぶちゃんも同じ任務なの?」
「いえ、私はお館様にお話があるので。ということは二人は同じ任務なのですね」
「鬼の新しい情報が入ってな。向かわせた隊士がやられたらしい。一般隊士への犠牲も出始めている。放ってはおけまい」
「私はお団子屋のおばちゃんが困ってるって聞いたから助けてあげたくて志願したの」
「なるほど。ですが、桜さんは病み上がりですよ。大丈夫なのですか?」
「平気!しのぶちゃんのおかげで痛みもないし、ちゃんと機能回復訓練もしたから!」
桜が満面の笑みを浮かべたのを見て、心配そうだったしのぶは『そうですか』と微笑んだ。
仮に無理しているのを隠しているとしても、しのぶが引き止めて諦めるような桜でもないだろう。
それが可能ならとっくの昔に耀哉か杏寿郎がしてくれているはずだ。
「それにしても、十二鬼月でしょうか?」
「おそらくな。上弦かもしれん」
「難しい任務のようですが、煉獄さんが行かれるのであれば心配ありませんね。桜さんのことも頼りにしています」
「うむ。安心しろ。桜のことは俺に任せておけ」
杏寿郎はまるで恋人を守るような意気込みだ。
「ではいってくる」
「いってきます」
「お二人とも、お気をつけて」
顔を引き締め去ってゆく二人をしのぶは見送った。
無事に帰ってくることを強く祈りながら。
駅を目指す途中、桜は杏寿郎に礼を言ってなかったことを思い出した。
「煉獄さん。ありがとうございました」
「気にすることはない」
そうは言っても同行ができるようになったのは杏寿郎の後押しがあったからだ。
あそこで杏寿郎が反対していれば、きっと耀哉は許可を出してはくれなかっただろう。
だから、こうして杏寿郎と並んで歩けるのは杏寿郎のおかげなのだ。
「“弱き人を助けることは強く生まれた者の責務である”!俺の母上が申していた言葉だ。あの時の桜が母上と重なって助けたくなった。それだけだ」
「煉獄さんのお母様はとても素敵な
「自慢の母上だった!」
母のことを話す杏寿郎の顔はとても誇らしげで。
そんな杏寿郎の横顔に桜は口元を緩めた。
そんな人と一瞬でも重ねて見られたことが桜は嬉しかった。
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桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» だいぶ放置ですみません!国家資格目指してるんですね。すごいです!私も陰ながら応援しています。もう、あまり需要もないかとは思いますが私はまだまだ鬼滅の刃が好きなのでボチボ頑張って更新していこうと思います。お時間あれば、また遊びにきてくださいね。 (2022年1月10日 11時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 資格取ろうと思っているんだな!俺も国家資格を取ろうと思っている!お互い!勉強!集中!煉獄杏寿郎だ! (2021年10月31日 20時) (レス) @page50 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» レスと更新が遅くなって申し訳ありません(T ^ T)しばらくこのような状態が続くと思われます。忘れた頃に更新かもしれませんが、引き続き彼らの応援よろしくお願いします( ^∀^) (2021年10月31日 15時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 煉獄さん!頑張れ!俺、煉獄さんを応援します!煉獄さんは強い‥!俺は弱者じゃない!夢主さんもだ!勝手に決めつけるな!猗窩座…!!お前を絶対許さない!竈門炭治郎です!煉獄さん、夢主さん!頑張って下さい! (2021年10月10日 19時) (レス) @page46 id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 全て言ってしまうとネタバレになってしまうので、あらかた伏せてになるのですが……^^;柱救済で物語を展開していきますので現役引退はありません!とだけ(^-^) (2021年10月4日 21時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2021年9月19日 10時