其の弐佰拾漆 無限列車編14 ページ17
「切符……拝見……致します……」
そこに車掌が入ってきた。
目の前に立つ車掌を見上げた炭治郎が戸惑った。
「??何ですか?」
「車掌さんが切符を確認して切り込みを入れてくれるんだ!」
杏寿郎が言いながら切符を取り出し、桜もなるほどと切符を手渡し切り込みを入れてもらう。
それを見て炭治郎も懐から切符を取り出し車掌に渡した。
「拝見しました……」
「…………………」
「…………………」
全員の切符に車掌が切り込みを入れ終わった瞬間、今までにこやかだった杏寿郎と桜の顔から笑みが消えた。
そして通路側に座っていた杏寿郎がスッと席を立つ。
不思議そうにそれを見上げる炭治郎に桜は人差し指で己の背中の方をツンツンと指す。
「戦闘開始です」
桜が蚊が鳴くほど小声で言ったのを聞いた炭治郎がハッとして激しく辺りを見回した。
「車掌さん!危険だから下がってくれ!火急のこと故、帯刀は不問にしていただきたい!」
杏寿郎は自分の背後へと車掌を押しやると隠していた日輪刀を手に取った。
それと同時に車内に鬼が姿を現した。
車内にいた乗客がパニックになり慌てて別の車両に逃げ出す。
だが、実は人々が逃げ込んだ車両のほうにも、もう一体鬼が潜んでいて、桜はその気配をなんとなく感じ取っていた。
「その巨躯を隠していたのは血鬼術か!気配も探りづらかった!」
杏寿郎が鬼を見ながら鯉口を切る。
その瞬間も桜は微動だにせず隣の車両に移るタイミングを伺っていた。
「しかし!罪なき人に牙を剥こうものならば!この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!!」
そして鞘から抜き霞の構えをとった。
「炎の呼吸 壱ノ型 不知火!」
一蹴り、炎を発するような勢いで一気に鬼との間合いを詰め、鬼の左肩から袈裟斬りした後、横薙ぎに鬼の頸を落とした。
その瞬間を狙って桜が素早く動く。
鬼が炎に焼かれ塵となり消えていくのを尻目に杏寿郎は納刀する。
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桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» だいぶ放置ですみません!国家資格目指してるんですね。すごいです!私も陰ながら応援しています。もう、あまり需要もないかとは思いますが私はまだまだ鬼滅の刃が好きなのでボチボ頑張って更新していこうと思います。お時間あれば、また遊びにきてくださいね。 (2022年1月10日 11時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 資格取ろうと思っているんだな!俺も国家資格を取ろうと思っている!お互い!勉強!集中!煉獄杏寿郎だ! (2021年10月31日 20時) (レス) @page50 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» レスと更新が遅くなって申し訳ありません(T ^ T)しばらくこのような状態が続くと思われます。忘れた頃に更新かもしれませんが、引き続き彼らの応援よろしくお願いします( ^∀^) (2021年10月31日 15時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 煉獄さん!頑張れ!俺、煉獄さんを応援します!煉獄さんは強い‥!俺は弱者じゃない!夢主さんもだ!勝手に決めつけるな!猗窩座…!!お前を絶対許さない!竈門炭治郎です!煉獄さん、夢主さん!頑張って下さい! (2021年10月10日 19時) (レス) @page46 id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 全て言ってしまうとネタバレになってしまうので、あらかた伏せてになるのですが……^^;柱救済で物語を展開していきますので現役引退はありません!とだけ(^-^) (2021年10月4日 21時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2021年9月19日 10時