其の弐佰拾陸 無限列車編13 ページ16
「一本残ってますから食べますか?」
「はい、はァーい!!だったら、桜さんが一口食べたあとのそれとコレを交換してほしいでーす!!」
「それはダメだ!!!」
「それはだめだろ!!」
つまりは間接キスがしたいと軽い冗談で言ってみただけなのに、マジ切れ寸前な杏寿郎と炭治郎に迫られた善逸が身を硬くしながら震え上がっている傍ら、桜は善逸の冗談の意図が理解できず頭にはてなマークをたくさん浮かべていた。
そのあとすぐ杏寿郎に呼び戻された桜が席に着き団子を食べ終わる頃には、みんなそれぞれでくつろいでいた。
スピードを徐々に上げて走る列車に伊之助が興奮し窓から外に身を乗り出した。
「危険だぞ!いつ鬼が出てくるか分からないんだ!」
「え?」
杏寿郎の言葉に善逸が顔面蒼白になった。
「嘘でしょ!鬼出るんですか!?この汽車!!」
「出る!!」
聞いてないよ!という反応の善逸は目玉が飛び出すほどに驚き、終いにはもう降りると言い出し、窓から逃げ出そうとする善逸を今度は伊之助が羽交い締めにして止めていた。
桜はそれを背中越しに見て、炭治郎に向き直った。
「もしかして任務の内容聞かされてなかったんですか?」
「たった今聞きました」
炭治郎の顔が引きつっている。
行く先で戦うのと、この場で戦うのとでは心の準備も違ってくるのだろう。
ここは一つ、気持ちを入れ替えて炭治郎たちには協力してもらいたいと思うのだが。
「短期間のうちにこの汽車で四十人以上の人が行方不明となっている!数名の剣士を送り込んだが全員消息を絶った!だから柱である俺が来た!」
それを聞いた善逸が顔面蒼白になり、ますます列車から降りたいと駄々をこねる姿を見て、十二鬼月かもしれないなんてことが分かると善逸の心臓にとどめを刺しそうな気がするので黙っておくことにした。
そんな個性的な彼らだが、きっと戦いになると180度違う姿を見せてくれるに違いない。
桜はそう思った。
だって一緒に訓練した仲だもの。
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桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» だいぶ放置ですみません!国家資格目指してるんですね。すごいです!私も陰ながら応援しています。もう、あまり需要もないかとは思いますが私はまだまだ鬼滅の刃が好きなのでボチボ頑張って更新していこうと思います。お時間あれば、また遊びにきてくださいね。 (2022年1月10日 11時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 資格取ろうと思っているんだな!俺も国家資格を取ろうと思っている!お互い!勉強!集中!煉獄杏寿郎だ! (2021年10月31日 20時) (レス) @page50 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» レスと更新が遅くなって申し訳ありません(T ^ T)しばらくこのような状態が続くと思われます。忘れた頃に更新かもしれませんが、引き続き彼らの応援よろしくお願いします( ^∀^) (2021年10月31日 15時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 煉獄さん!頑張れ!俺、煉獄さんを応援します!煉獄さんは強い‥!俺は弱者じゃない!夢主さんもだ!勝手に決めつけるな!猗窩座…!!お前を絶対許さない!竈門炭治郎です!煉獄さん、夢主さん!頑張って下さい! (2021年10月10日 19時) (レス) @page46 id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 全て言ってしまうとネタバレになってしまうので、あらかた伏せてになるのですが……^^;柱救済で物語を展開していきますので現役引退はありません!とだけ(^-^) (2021年10月4日 21時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2021年9月19日 10時