其の弐佰拾参 無限列車編10 ページ13
「ここにシワが寄っているぞ?」
「!」
突然、眉間に何かがトンと当たり桜は驚いて弾かれてように顔を上げると、弁当を大量購入してきた杏寿郎が目の前に立っていた。
眉間に当たっていたのは杏寿郎の人差し指だった。
「今からそんなに力んでいると疲れるぞ。もっと肩の力を抜け」
「煉獄さん………」
初めて十二鬼月と戦うことになるかもしれないと思うと体がどうしても強張る。
十二鬼月は、なんといっても鬼の始祖である鬼舞辻無惨の血が濃い。
これまで相手にしてきた鬼とは格が違うのだ、緊張もする。
だけど、目を細めて笑う杏寿郎を見ていると、なぜか何とかなるような気がして、ホッと息をはくと肩の力も一緒に抜けたような気がして。
桜の頬も自然と緩んだ。
気持ちが落ち着いたところで気になるのが何重にも積み重ねられた弁当を片手で軽々と持ち上げている杏寿郎の姿だ。
二人分にしては弁当の数が多すぎるような気がするのだが。
これは大人買い、もしくは買い占めというやつではないのか?
「そ、それは、まさか煉獄さんが全部一人で食べるつもりですか?」
桜はタラタラと汗を流し、その尋常ではない大量の弁当を手にご満悦の杏寿郎を見た。
「桜にも一つやろう」
「いえ、私はそんな……………」
「遠慮することはない。足りないようなら、また買いに行けばいい」
杏寿郎の言葉に驚かされる。
これだけの量を食べて足りないなんてことあるのか???
この食欲が杏寿郎の強靭な肉体を作り上げているのだろうが。
仮に桜が一つ頂いたとしてもだ、絶対に足りる量だろう。
杏寿郎の旺盛な食欲に呆気に取られる桜だった。
「よ、よかったら、団子も食べますか?」
「団子か。美味そうだ。ありがたく食後にいただこう!」
もう杏寿郎の食欲は止まらない。
喜々とした表情の杏寿郎は、まるで行楽にでも行くようなはしゃぎようで。
この人、本来の目的忘れてないよね?と桜は心の中でつっこんでいた。
「さて!列車に乗り込むとしよう!」
「は、はい!!!」
桜は、あんぐり開いていた口と顔を慌てて引き締めた。
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桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» だいぶ放置ですみません!国家資格目指してるんですね。すごいです!私も陰ながら応援しています。もう、あまり需要もないかとは思いますが私はまだまだ鬼滅の刃が好きなのでボチボ頑張って更新していこうと思います。お時間あれば、また遊びにきてくださいね。 (2022年1月10日 11時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 資格取ろうと思っているんだな!俺も国家資格を取ろうと思っている!お互い!勉強!集中!煉獄杏寿郎だ! (2021年10月31日 20時) (レス) @page50 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» レスと更新が遅くなって申し訳ありません(T ^ T)しばらくこのような状態が続くと思われます。忘れた頃に更新かもしれませんが、引き続き彼らの応援よろしくお願いします( ^∀^) (2021年10月31日 15時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 煉獄さん!頑張れ!俺、煉獄さんを応援します!煉獄さんは強い‥!俺は弱者じゃない!夢主さんもだ!勝手に決めつけるな!猗窩座…!!お前を絶対許さない!竈門炭治郎です!煉獄さん、夢主さん!頑張って下さい! (2021年10月10日 19時) (レス) @page46 id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 全て言ってしまうとネタバレになってしまうので、あらかた伏せてになるのですが……^^;柱救済で物語を展開していきますので現役引退はありません!とだけ(^-^) (2021年10月4日 21時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2021年9月19日 10時