其の弐佰漆 無限列車編4 ページ7
いつも耀哉と謁見する庭で、耀哉が来るのを二人横に並んで待つ。
「二人とも、待たせたね」
ひなきとにちかに手を引かれ耀哉が姿を見せたと同時に杏寿郎と桜はその場で跪いた。
「桜。椿から話は聞いたよ。無限列車の調査に向かいたいそうだね」
「はい。どうか許可をお願いします」
「義勇はこのことを知っているのかな?」
「それは……まだです。急なことでしたので、お館様に許可を頂いてから師範には報告するつもりでした」
本来なら継子が他の柱と組んで任務にあたる場合、その師範である者から許可を得てになるのだが桜は急に思い立ったので報告はまだだった。
順序が違うことに桜は罰が悪そうな表情だ。
勢いで来たからその事をすっかり忘れていたというのが本当のところだ。
「事後報告になりますが師範には必ず報告します!どうしても行きたいんです!お館様、お願いします!」
桜は頭をこれでもかと深く下げ耀哉に懇願する。
目の見えない耀哉は桜の表情を見ることができないぶん、耳から入ってくる情報は正確で、桜の声音から必死に訴えているのだろうことが窺い知れた。
「桜自ら任務へ志願するのは珍しいね。何か
「お世話になっている人から無限列車で人が消えているという噂を耳にしました。その人は田舎に帰るために例の無限列車に乗らなければならないんです。とても不安そうな顔をしていました。できることなら、その人の役に立ちたいと思ったんです」
なるほど、と耀哉は空を見上げた。
ただ、今回の任務にはすでに数十名の隊員を送り込んでいるが誰一人として帰ってこないという事由があった。
「桜の気持ちはよくわかったよ。だけどね、向かわせた隊士がすでにやられてしまったという報告も入っている。命懸けの危険な任務になるかもしれない」
「覚悟しています!!!でなければ、お館様に伝令を送ったりはしません!!」
桜の声の強さ、トーンから彼女がどれだけ本気で真剣なのかが耀哉には手に取るように伝わってきた。
桜の覚悟はそれだけ本物だった。
だからこそ桜はずっと頭を下げて嘆願し続けているのだ。
それまで黙って見ていた杏寿郎が口を開いた。
「失礼ながらお館様。差し出口を挟むことをお許しください」
「かまわないよ、話してごらん?杏寿郎」
先ほどまで耀哉と同じ気持ちで桜を思っていた杏寿郎に気持ちの変化があった。
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桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» だいぶ放置ですみません!国家資格目指してるんですね。すごいです!私も陰ながら応援しています。もう、あまり需要もないかとは思いますが私はまだまだ鬼滅の刃が好きなのでボチボ頑張って更新していこうと思います。お時間あれば、また遊びにきてくださいね。 (2022年1月10日 11時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 資格取ろうと思っているんだな!俺も国家資格を取ろうと思っている!お互い!勉強!集中!煉獄杏寿郎だ! (2021年10月31日 20時) (レス) @page50 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» レスと更新が遅くなって申し訳ありません(T ^ T)しばらくこのような状態が続くと思われます。忘れた頃に更新かもしれませんが、引き続き彼らの応援よろしくお願いします( ^∀^) (2021年10月31日 15時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 煉獄さん!頑張れ!俺、煉獄さんを応援します!煉獄さんは強い‥!俺は弱者じゃない!夢主さんもだ!勝手に決めつけるな!猗窩座…!!お前を絶対許さない!竈門炭治郎です!煉獄さん、夢主さん!頑張って下さい! (2021年10月10日 19時) (レス) @page46 id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 全て言ってしまうとネタバレになってしまうので、あらかた伏せてになるのですが……^^;柱救済で物語を展開していきますので現役引退はありません!とだけ(^-^) (2021年10月4日 21時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2021年9月19日 10時