其の弐佰弐 炭治郎くん26 ページ2
本人も、まさかというビックリ顔。
「………全身訓練でも負けてしまいましたね」
桜が笑いながら降参の意を表すと炭治郎は破顔して全身で喜びをあらわにした。
「やったーー!!」
「うゎっ!?」
桜の手首を握り締めたままなのを忘れて炭治郎が両腕を勢いよく上げるもんだから、桜の腕も同時に引っ張り上げられたようになってしまいバランスを崩してしまった。
いとせずとも炭治郎の方に引き寄せられたようになってしまった桜は炭治郎の胸に倒れ込む。
勢いもあり桜の体重をとっさに支えきれなかった炭治郎はそのまま仰向けに倒れ、桜は固く目を閉じた。
その瞬間、炭治郎は桜が床に放り出されないように桜の背に腕を回し抱き止めた。
「……………………」
「……………………」
「桜さん、怪我はありませんか?」
頭上から聞こえる落ち着いた声に、桜は閉じていた目をゆっくりと開けた。
顔を上げると炭治郎が心配そうな焦ったような表情をしている。
「炭治郎くん?」
桜はゆっくり体を起こすと、ようやく事の事態に気が付いた。
よく見ると自分は炭治郎にのしかかっている、つまり押し倒しているではないか。
不可抗力とはいえなんてことを!!
「ごめんなさい!!重かったですよね!!」
桜は急いで炭治郎の体の上から降りると、その腕を引いて体を起こした。
炭治郎が庇ってくれたおかげで、桜は打ち身どころか痛いと思うことすらなかった。
だけど炭治郎は?
桜の体で押されたぶんと元々の勢いで、床との衝撃も強かったはずだ。
「体は痛くないですか!?頭は!?怪我は!?」
ようやく那田蜘蛛山での怪我が治ったところなのに……。
回復訓練で負傷させてしまったなんて洒落にならない。
何かあったらと桜はオロオロしながら炭治郎に矢継ぎ早に様子を聞いている。
「俺は石頭だからこれくらい平気です」
炭治郎は慌てふためく桜を落ち着かせようと柔らかく笑う。
それに重たくもなかった。
まるで羽のような軽さに驚いたくらいだ。
「桜さんは?」
「私も何ともないです。庇ってくれて、ありがとうございました」
「お礼を言われるほどのことはしていませんから」
元はと言えば自分の不注意から起きたのだ。
それに、桜が危ないと思った瞬間にはもう体が勝手に動いていた。
96人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» だいぶ放置ですみません!国家資格目指してるんですね。すごいです!私も陰ながら応援しています。もう、あまり需要もないかとは思いますが私はまだまだ鬼滅の刃が好きなのでボチボ頑張って更新していこうと思います。お時間あれば、また遊びにきてくださいね。 (2022年1月10日 11時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 資格取ろうと思っているんだな!俺も国家資格を取ろうと思っている!お互い!勉強!集中!煉獄杏寿郎だ! (2021年10月31日 20時) (レス) @page50 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» レスと更新が遅くなって申し訳ありません(T ^ T)しばらくこのような状態が続くと思われます。忘れた頃に更新かもしれませんが、引き続き彼らの応援よろしくお願いします( ^∀^) (2021年10月31日 15時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 煉獄さん!頑張れ!俺、煉獄さんを応援します!煉獄さんは強い‥!俺は弱者じゃない!夢主さんもだ!勝手に決めつけるな!猗窩座…!!お前を絶対許さない!竈門炭治郎です!煉獄さん、夢主さん!頑張って下さい! (2021年10月10日 19時) (レス) @page46 id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 全て言ってしまうとネタバレになってしまうので、あらかた伏せてになるのですが……^^;柱救済で物語を展開していきますので現役引退はありません!とだけ(^-^) (2021年10月4日 21時) (レス) id: 16cf354de0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜花 | 作成日時:2021年9月19日 10時