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Aを送って帰宅して、あれ?と思う。
僕の家は十字路から3番目。Aの家も確か、十字路を曲がってすぐの家から3番目。
あれ、もしかして家、裏同士?
僕は家に入り、ただいま!と言うと、母さんのおかえり、の言葉を待たずに自分の部屋へと駆け上がった。
小学一年生になって得た自分だけの部屋。奥にはベランダもあって、よくそこでリコーダーの練習をしていた。家の中ですると、うるさいって怒られるから。
冬には自分で雪だるまを作った。ベランダだけで1mは積もってしまうため、雪がある程度溶けるまでベランダに出られないのはとても悲しい。
でもベランダの横に小窓がいくつかあって、そこには雪が積もらないから、ちゃんと太陽の光は入ってくる。
まだ雪は降っていないため、ベランダには出放題。カラカラと窓を開けたその向こう。
Aがランドセルから荷物を出しているのが分かった。
部屋が向かい合わせ!それって何時でも喋れるってことだよな!やった!とガッツポーズをしていると、Aが僕の視線に気がついたのか、驚いていた。
Aの部屋のカーテンが空いているから部屋の中がよく見える。まだ引越しが終わってないのか、ダンボールがいくつか見られた。
Aの部屋にもベランダがあって、その横にちゃんと小窓もあった。
「ひろみつ!ひろみつのお家、そこだったんだね!」
Aも僕と同じようにベランダに出てきて話しかけてくれた。
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作者名:棗 | 作成日時:2019年12月7日 23時