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「ひぇー、つめてー！」
「…さむ………」
ベランダに積もった雪を掻き集めると、鋭い痛みが両手を襲った。素手だと、つらいな。もう冷たいというか、通り越して痛い。
ぎゃんぎゃん騒ぐ俺をよそに、Aはちゃっかりコートを着込んで窓の枠の所に座りながら、ひたすら寒い寒いと文句を垂れる始末。
本当はもっと広いとこで遊びたいけど、絶対やだって言うからベランダにしたのに、それでもこんなに言うか。
「ゆーきやこんこ、あーられやこんこ…」
散々寒いと言いまくった後、
また口が動いたと思えば懐かしいあの歌が聞こえてきた。
「ちょっとA」
「いーぬはよろこび庭かけまわり」
淡々と歌うその視線の先には、俺。
なんだ、おい。誰が犬だ。
「犬じゃないんだけど」
「ねーこはこたつで丸くなるー…
あぁもうだめ寒い戻る」
「は！？」
ちょ、まだ全然遊んでないんだけど！？ただはしゃぐ俺を眺めてただけじゃん！雪だるまとか作るどころの話じゃないしもう！
そんな俺の反論など聞く気もない彼女は、また「寒い寒い」と小さく呟きながらさっさと部屋の中に入っていってしまった。ベランダに俺をひとり残して。
Aが寒さに弱いのは知ってたけど、こんなに？いや、でも流石にこれはひどくない？
遊んでくれなかったことと、
犬と馬鹿にされたことに少しの恨みを込めて、
掻き集めた雪を手にぎゅっと握りしめてから、俺もAの後を追った。
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部屋に入ると、Aは既にコートを脱いでさっきと同じ体勢に入っていた。
布団を被って、ぴくりとも動かない。
俺は敢えて声も掛けずに、ゆっくりと彼女ににじり寄った。
布団を勢いよく剥ぎ取ると、驚いてばっ、と俺を見るA。まぁ、想定内。
そのまま彼女を押さえつけて、少しめくれたパジャマから覗く白い肌目掛けて、手に握り込んだ雪を思いっきり放り込んだ。
「！！！！！？！！？！」
思いっきり見開いた目に、
面白いくらいに跳ねた肩。
何するの、とでも言いたげなその表情に、
もう若干溶けかかっている雪をさらに服の中へと押し込んで、にこりと笑顔を向けた。
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ぷーこ(プロフ) - あきさん» すみません、もし教えていただけるようでしたらどの作品か教えていただけると幸いです。 (2016年8月9日 18時) (
レス) id: 0bb9c9012b (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - あきさん» わざわざ コメントありがとうございます。それはそちらの作品と私の作品どちらが先に書かれたものでしょうか？お手数をおかけしますが教えていただけると嬉しいです。すみません。 (2016年8月9日 18時) (レス) id: 0bb9c9012b (このIDを非表示/違反報告)
あき - はじめまして、コメント失礼します。とある作品を読んでいたところ、この作品のあるお話と酷似しているものを見つけまして、一応ご報告をと思いコメントさせて頂きました。 (2016年8月9日 8時) (レス) id: 7970285b3f (このIDを非表示/違反報告)
ぬんぬん♪ - えっ終わり!?嘘やろ!?!? (2016年6月11日 0時) (レス) id: f5deb9fb59 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - 完結……したのですか？ 楽しみに見させていただいてたので残念です…… (2016年5月22日 23時) (レス) id: 191aa71f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷーこ
| 作成日時：2016年1月5日 20時
