検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:119,179 hit

2 ページ3

.





「…あれ、ほんと意味わかんなかった」


「なんでよ」


「だって“好きな人いる”って言われたのに、
“じゃあ俺と付き合って”っておかしいから!
文脈おかしいから!じゃあってなにじゃあって!!」


昔のことを思い出して、なんだか急に腹が立ってくる。知っての通り祐希は割と破天荒だけど、それは昔から。


『いいよね?』

『付き合うよね?』


なんて一気にまくしたてられて、
わけもわからず付き合うことになり、今に至る。まぁ、私は祐希が好きだったから、願ったり叶ったりだったわけだけど。


「だってA俺のこと好きだったじゃん」

「そうだったけどさぁ…………って、え?」






……待てよ。

ばっ、と勢いよく振り向けば、そこには笑顔の彼。





「きっ、気づいてたの!!?」

「まぁ、なんとなくだけど」

「なんで!?」

「いや、いつもこう…熱い視線がね」





…嘘だ。


誰にも言ってなかったし、あまり見てないつもりだったからバレてない自信があった。それなのに、彼には全て筒抜けだったというわけか。

うわ、そうなると物凄い恥ずかしい。




「……そんなに、見てた?」

「そりゃあもう」




………。

あああ恥ずかしい。
というか、もう何年も前のことだっていうのに今更そんな爆弾を投下してくる祐希が憎い。


「…気づいててわざわざ聞くとか、タチ悪い」

「え?」

「“好きな人いるの?”って」


精一杯の恨みを込めて、祐希を睨みつける。でも彼はさほど気にしていないようで、にこにこ、にこにこ。


「でもそのおかげで今こうして一緒にいられるわけでしょ?」


…それを言われると、ぐうの音も出ない。

あれがなければ、きっと私から言うことなんて無かっただろう。ずっと片想い。そのまま卒業を迎えたはずだ。


「そう、だけど…」

「でしょ、ふふん」


勝ち誇ったような顔が、これまた憎たらしい。このままやられっぱなしは嫌で、ありがちな質問をひとつ。



「……じゃあ、祐希はいつから私のこと好きだったの?」

3→←◎敵わない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (236 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
600人がお気に入り
設定タグ:石川祐希 , バレー , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぷーこ(プロフ) - あきさん» すみません、もし教えていただけるようでしたらどの作品か教えていただけると幸いです。 (2016年8月9日 18時) (レス) id: 0bb9c9012b (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - あきさん» わざわざ コメントありがとうございます。それはそちらの作品と私の作品どちらが先に書かれたものでしょうか?お手数をおかけしますが教えていただけると嬉しいです。すみません。 (2016年8月9日 18時) (レス) id: 0bb9c9012b (このIDを非表示/違反報告)
あき - はじめまして、コメント失礼します。とある作品を読んでいたところ、この作品のあるお話と酷似しているものを見つけまして、一応ご報告をと思いコメントさせて頂きました。 (2016年8月9日 8時) (レス) id: 7970285b3f (このIDを非表示/違反報告)
ぬんぬん♪ - えっ終わり!?嘘やろ!?!? (2016年6月11日 0時) (レス) id: f5deb9fb59 (このIDを非表示/違反報告)
- 完結……したのですか? 楽しみに見させていただいてたので残念です…… (2016年5月22日 23時) (レス) id: 191aa71f46 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぷーこ | 作成日時:2016年1月5日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。