story42 ページ42
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「代わり」なんて駄目だと、わかってはいるのに。
弱い私は、祐希くんのその優しさを即座に振り払うことはできなかった。
「ゆ…うきくん」
「好きになんなくても、いいから…
Aちゃんの中からマサさんが消えるまで、そばにいるから」
そんなの、祐希くんになんのメリットがあるの?
自分じゃない人を想い続ける人を想い続けて、そばにいて…
それで私がマサを忘れたら、
祐希くんはどうするの?
私が祐希くんを好きになればそれでいいのかもしれない。
でも、もし好きになれなかったら?
「そ、んなの…だめ」
私を強く抱きしめていた祐希くんの腕が、ふっと緩んだ。
こんなに優しい人を、
こんなことに巻き込んじゃいけない。
ましてやそんな…利用する、みたいなこと。
きっと彼を好きになる女性なんて、たくさんいるはずなんだ。
もっと幸せになれる道がたくさんあるはずなのに、どうしてこんな道を選ぼうとするの?
「だめ、だめだよ…そんなことできない」
「…っなんで」
抱きしめていた手は、
気づけば両肩を力強く掴んでいた。
それと同時に、包まれていた彼の甘い香りからも解放される。
「…っ……」
見上げた彼は、今にも泣き出しそうな程に顔を歪めていた。
「頼む、お願いだから…
Aちゃんのそばにいさせて…」
だめだよ、
という言葉は、もう出てこなかった。
「……祐希くん」
こんな彼を突き放せなかった。
…なんて。
そんなのはただの言い訳に過ぎない。
「Aちゃんにだったら、
どんなに利用されたって構わないよ」
私は弱いから。
この悲しみから逃れたい一心で
彼の甘い誘惑に乗って
________彼を利用したんだ。
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ぷーこ(プロフ) - ルカさん» いえいえ!ありがとうございました!後ほど変えさせていただきます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - なら、そうなんですね!すいません! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ルカさん» すみません、4年前の作品なので番号も当時のものになっております。わざわざありがとうごさいます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 柳田くんはあってるけど石川くんは#14ですよ (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - ずっと更新待ってました!!! パスワードできたら教えてくださいm(_ _)m (2016年8月27日 1時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷーこ | 作成日時:2015年11月11日 1時