story37 ページ37
.
「じゃあ俺、帰るね。
お邪魔しましたー」
「あっ、そこまで送る!」
リュックを背負って、靴を履いて。
私より先に外へ出た祐希くんを、慌てて履いたスニーカーの踵を踏み潰しながら急いで追いかける。
「ゆうきく……」
パタン、と
玄関のドアが静かに閉まったのと、同時だった。
「………あ…、」
1ヶ月振りに、マサと目が合ったのは。
「……………A、」
夕方の、静かな住宅街に
マサの私の名前を呼ぶ声だけが響き渡っていく。
呆然と立ち尽くす私の少し先には、
心配そうに私を見つめる祐希くん。
そしてマサの家の前には、
私と同様に呆然と、ただ私を見つめるだけのマサと
「あっ!Aちゃんだ!」
マサの腕に細い腕を絡ませる、マナミさんがいた。
彼女は嬉しそうに私の元へ駆け寄ってくると、その小さな手を私の両肩へと乗せた。
「久しぶりだね!元気だった?」
「…お、久しぶりです。えっと、その……」
________大丈夫。
「なになに、Aちゃんもおうちデート?石川くんと付き合ってるの?」
「や、ちが…」
小さな顔が近づいてきて、
甘い香りが鼻をくすぐる。
さらさらな黒髪がふわりと風に靡いた瞬間、
彼女は私にしか聞こえないような小さな声で囁いた。
「…将洋って、
顔に似合わず意外と激しいの。」
「……っ、」
「…石川くんはどうなの?」
もう、泣かないって
「ぅ、あ………」
.
「A」
900人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷーこ(プロフ) - ルカさん» いえいえ!ありがとうございました!後ほど変えさせていただきます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - なら、そうなんですね!すいません! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ルカさん» すみません、4年前の作品なので番号も当時のものになっております。わざわざありがとうごさいます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 柳田くんはあってるけど石川くんは#14ですよ (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - ずっと更新待ってました!!! パスワードできたら教えてくださいm(_ _)m (2016年8月27日 1時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぷーこ | 作成日時:2015年11月11日 1時