story27 ページ27
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あれから、どれくらい時間が経ったのか。
腫れて視界が狭くなった目で辺りを見渡せば、ふと目に入る、ランプが点滅する携帯。
思い出したように手に取ってみれば、画面には祐希くんからのメッセージが表示されていた。
『今日大学来てる?』
あぁ、そっか。
そういえば昨日、大学で会えたらいいねなんて話をしたっけ。
『ごめん、熱出しちゃって。今日は休んじゃった』
うまく動かない指先で、ゆっくりと文字を打つ。
やっと返信できたと思ったら、
ものの数秒でつく既読の文字。
それから間もなく新たに表示されたのは、
『は!?熱!?大丈夫?』
…なんとも彼らしい。
返信早いなぁ、と半ば感心しながら
またゆっくりと指先を滑らせた。
『大丈夫だよ』
『家の人は?いる?』
『いない、けど』
『はぁ!?大丈夫なの』
『大丈夫だって(笑)』
『だめ。心配。いまからいく。』
リズムのいいメッセージのやりとりに苦笑しながらまた返信しようとして、
二度見した。
「…は?」
いまからいく、とは。
『どこに』
『いえに』
はぁ、そうですか。
とはならなかった。
『いい!来なくていい!』
祐希くんがウチに!?
いや、なんで。
混乱しながらも、さっきの倍以上のスピードで文字を打ち込む。でも、既読がつかない。さっきまではメッセージを送った瞬間に既読の文字がついたというのに。
その後も何通か送ったけど、
返信がくるどころかいつになっても既読すらつかなかった。
……かといって家にも来ない。し。
やっぱりただの冗談で、きっと今頃は真面目に講義を受けてるはずだ。なんて思ったその時、
ピンポーン
「…え」
来客を知らせるインターホンの音が、家中に鳴り響いた。
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ぷーこ(プロフ) - ルカさん» いえいえ!ありがとうございました!後ほど変えさせていただきます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - なら、そうなんですね!すいません! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーこ(プロフ) - ルカさん» すみません、4年前の作品なので番号も当時のものになっております。わざわざありがとうごさいます! (2019年10月14日 16時) (レス) id: acc82473cf (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 柳田くんはあってるけど石川くんは#14ですよ (2019年10月14日 16時) (レス) id: 1f76d21934 (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - ずっと更新待ってました!!! パスワードできたら教えてくださいm(_ _)m (2016年8月27日 1時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷーこ | 作成日時:2015年11月11日 1時